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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第5章 情熱とは熱しやすく冷めやすい
ハンソンに頭を撫でられて、安心感で涙が溢れそうになった時、誰かによって、もう一度・・次は本当にブカブカなサイズのジャケットを被せられた。
「・・君は強いよ」
とささやいたのは、隣に座っていた男性二人組の内の一人だ。そっか、この人達は私の状況を知ってくれているんだ。
蓮と出会って・・とんとん拍子に残りの三人とであった。
人それぞれ、合う性格・合わない性格があるっていうのらわかってた。だけど、それでも純粋に楽しい時間や信じられない時間を過ごす事ができた。
仕事も本当に順調だ。全店舗、昨年の平均売り上げから大幅にアップしている。女の子の質も今は入れ替わりが当たって上等なものだ。
私があの町に行った本来の事業もー・・事務所は借りれたし、女の子も間に合いそう・・。あとは、時間が過ぎるのをまつだけだった。
でも、よく考えたら
こんなに全てが良い方向に転ぶ訳がないんだ。
絶対にー・・深く悲しむような経験をする。
私の場合は、その経験が
蓮にされたあの行為、だったのだろう。
冷静に考えると、理解出来た。
「はぁ・・」
「そのジャケットはプレゼントだ。何なら仕立て直して君のサイズにしてくれてもいいよ。」
と容器に笑う男性に、何でか癒された。
「素直に嬉しいわ。ありがとう。」
「あぁ。神は・・君をちゃんと見守っているからね」
「ふふ、そうかな。」
ゆっくりと私は立ち上がり、大きなジャケットに腕を通してボタンを閉める。
「送っていくよ。誰か僕の変わりにインタビュー受けといてくれないか?」
「あぁ、いいよ。」
「ありがとう。小百合・・行こう。」
しっかりと手を握られて、引っ張られる。
でも、その力強さはー・・決して怖いものではなく
何処か安心感を与えてくれるものだった。
「おい!小百合!!」
「ーー・・私は、もう蓮の事は好きになれないわ。
って言うか、やっぱり彼氏なんてイラナイ。」
"男なんて子供な生き物よ"
と柳沢に向かっていい放ち、控え室をあとにする。
私の言葉を聞いたハンソンはー・・どこか悲しそうな顔だった。