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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第1章 遊びと本気
「隣のお客さん、あと2人増えるみたいなんだけど・・いいかな?」
どうして私に聞くんだろう?
「えぇ。--・・でも何で私に?」
「さぁちゃんは芸能人とかそういうの関係無くしてうるさい人は嫌いそうだから」
「はは、さすがの洞察力。でも人様のお酒の呑み方に文句は極力言いませんよ。
度を越えずに楽しんではるだけなら、見てて楽しいしねぇ」
「さぁちゃんらしいね。冷たいけど優しいところは由香ちゃんに似てる。ありがとう。」
「いいえ。それより響子さん。さっき私に喋りかけてきたお客さんはよう来はるんですか?」
「私の姉の知り合いなんですよ。独身だし結構遊びまわってるみたいだから、よく来てくれるんです」
「常連さんかー・・。」
「でも気は使わないでね」と全てを見透かしたかの様に優しい笑顔でそう言ってくれる響子さんは同性ながら心奪われそうになる。本当によく出来た女性だ。
「由香より、私の事分かってはるんちゃう?」
と隣の彼女をからかうと目をまん丸くして反論してきた。
友達に対しては独占欲が強く、良い意味で愛情深い由香ならではの行動だろう。
そんな姿を一杯のアテにしながら私のお酒と時計の針はドンドン進んでいった。