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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第5章 情熱とは熱しやすく冷めやすい
「好きって気持ちが先走る時だってあるだろう」
ーー・・好きって気持ちが先走る・・?
「あいつは、お前の事をただのセフレとかそんな事は一切思ってない。あいつの態度見てたら分かる事だろうがよ。」
「ちょっと、まって。好きって気持ちが先走る時がある?何ソレ。そんな事ないわよ。」
「それはお前が、そこまで本気で人を愛した事がないからだろうが」
「あんたのその言い分やと、愛しすぎて人を殺すって事を認めろってなるのよ?わからん?」
「はぁ・・、いるよな。極論言い出すやつ。」
「あんたが訳わかんない事を人の家に上がり込んでまで言ってくるからでしょう。」
「今のお前本当ヒステリック。」
「なにが?あんたの言い分の方が余程、バカで知性の欠片も感じられないわ。」
「ーー・・。」
「脳みそが足にいっちゃったんじゃないの?」
「あぁ?」
「何よ。叫ぶの?そこで叫んだら、あなたもヒステリックの仲間入りね。」
「・・。お前さ・・」
「なに?」
「冷静そうに見えて、案外子どもなんだな。」
「あんたに言われたくないわよ。」
男の人とここまで言い合いをした事がなかった。
面倒臭い事が嫌いだから、いつも空謝りをしてその場を丸く納めるか、相手の前から逃げ出して、最善の方法が思い付くまで彼の前に行かない。
そんな事を繰り返していた私にとって
何だか、この雰囲気は新鮮そのものだった。
「よし、決めた。」
グラスのお茶を一気に飲み干して、何も言わずに私のタバコを吸う光。
・・年に二本じゃなかったの?
彼の喫煙姿を、私はこの短期間で何度も見ている。
しかもー・・リーグ中だというのに。
どこぞの"問題児"なのか。
「あんたさ、決勝戦見に来てよ。たぶん、俺とハンソンが戦うから。」
「・・ー?」
驚きすぎて声もでない。
なんでそうなるんだ?
「で、俺達のチームが勝ったら、俺のいう事聞いて。
もし、ハンソン達が勝ったら、俺はあんたの前に現れない。蓮にも、忠告しとく。もう連絡取るなって・・、関わるなってな。」
「悪くない話じゃん?」
「いやいやいや、話が掴めない。
何で今の流れで私が貴方達の試合を見に行く事になったのよ?」
「別にいいじゃん。あんた、どうせハンソンにも同じ様な事言われてるんだろ。」