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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第6章 ホワイトとブラック
「この子、光の大ファンなの!サインもらえない?」
「余裕よ。なんなら、今言っておくわね。」
ーー・・とサラッと言ってみた。
あの日、郵便受けに入っていたメモに、アドレスと電話番号もご丁寧に記しておいてくれていたのだ。一応、彼の誘いだし、試合後には嫌でも連絡を取らないとダメになるので、登録しておいた。
本当はー・・登録なんてしたくなかったけど
この子の笑顔を見れるなら。ちょっとだけ、登録してよかったかな?なんて思っちゃう。
後ろに隠れていたのが嘘みたいに
今は大興奮で、少年らしいキラキラした瞳で私を見つめていた。
「今、メールしたわ。」
残り10分ー・・。試合前だから、すぐに気付くのは難しいのかな?
「Thank you Shayuri ! 」
しゃゆり・・ただでさえ英語もままならないのに
日本語の名前は・・確かにそうなるよね。
笑顔で頭を撫でてあげる。
そしたら嬉しそうに手を繋いできた。
あぁもう!かわいすぎるっ!
「ハンソンとはどう?」
「何もないわよ!だけど、毎日連絡は取ってるわ」
周りには聞こえないだろう。
だって、みんな良席に大興奮だし。
「光とは友達?」
「腐れ縁。」
「ーー・・ははっ!そりゃあ困ったわね。」
「本当よ~。今日も彼からの条件で私はブエノスを応援しなきゃならないの。」
「えぇ!」
「だけど、心の中はハンソンよ。」
「なに、光の事嫌いなの?」
「えぇ、だいっ嫌い!」
勢いよく言ったのが面白かったのかブリトニーは大きな声で笑い出す。私とミュラーくんもつられて、笑顔になった。