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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第1章 遊びと本気
そんなこんなで時計の針は午前の12時を示している。
この店に来て、もう4時間以上たった。そろそろ帰りたいが由香はまだ絶好調。

「でねっ!ほんっとうにアルマゲドンがあの時来ていなかったら・・・」
「分かった分かった。もうちょっとボリューム落としてちょうだい。」

「なーんーでーよーっ!!」

「何でってー・・。いくら皆さんがお酒呑んで陽気になってはる言うても、由香の声がダントツで大きいねんで?揉め事でも起こったらどないすんの」
「揉め事って?」


「例えばー・・・“お前うるさいねんっ!”とか」



とまじめな顔で言うと、ツボに入ったらしく涙を流しながらキャッキャと笑い転げそうになる由香。酒癖の悪さは、酷くなったかもしれない。


「うるさいねん!?そんなの言う人居ないに決まってるでしょ!みーんな友だ・・・「あぁー!本当やってらんねぇ!おめぇうるせぇんだよ!!」


突如、店内に響き渡る怒鳴り声。その声の主はー・・私の席の3つ隣だ。有名アイドルグループの一番の稼ぎ柱といわれているかっこいい人物。

彼も相当飲んでいるのか、少し目が据わっている。


「ちょっと響君、そんなに怒らないで」
「あぁ?まず、こんなに騒ぎ立てる餓鬼をこの店に入れるな!」

鬼の様な形相で響子さんにもとってかかりそうになるのを必死に周りの男の人たちがとめているが、確かにこの人が怒りたくなるのもムリない。由香の酒癖の悪さは今日は、店内でピカイチだった。


「由香、謝っときなよ。仕事の関係もあるでしょ」
「ー・・うん。」


さすがに素面に戻ったのか、謝るタイミングを探している様だが、今までの彼女と同じ位の弾丸スピードで文句を並べている間に謝罪のタイミングなんて無いに等しい。



「俺はここでコイツらと落ち着きながら飲みてぇんだよ!「ー・・あの」


「あぁ!?」




「すみませんでした。-・・その五月蝿くしてしまって。」


今にも泣きそうな顔で必死に深く頭を下げて謝る由香。

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