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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第1章 遊びと本気
私は煙草に火をつけ、それを見ていた。ここで私も謝ると、また話は面倒臭くなる。というかかかわりたくない。後ろからサポートするならまだしも、真正面から向かっていくなんて破滅行為だ。

「なんだコラ、素面に戻って俺達の事が分かったのかよ?だから潮らしく謝って許してもらおうってか?」

「違います。私は騒いだ行為自体に謝っているんです。あなたの職業とは全く関係なしに」





「その言い草ー・・てめぇナメてんのかよ?」


どこでキレたのかは全く理解できなかったが、確実に目の色が変わったのは分かった。先ほどよりも彼は怒っている、これは確実だ。




「-・・すみませんでした」


何度も何度も頭を下げる由香は、案外大人の行動をとっている。普通ならここまで言われたら言い返したくもなるだろう。その証拠に関係の無い私が怒りそうになっている。



「おめぇも俺達の地位が目当てかよ?それとも金か?謝るから派手な事はしないでくださいってか?それとも抱いてくださいってか?」



「おい、響。そろそろ止めろよ。記者達居たらどうすんだよ」

と静かに止めに入るのは私の隣に座っている冷静なエリート君だ。



「そんなもん関係ねぇよ。悪いもんは謝らせるのが普通だろ」
「すみませんでしたーっ!!」

キツク歯を食いしばっているのが、ここからでも分かる。知り合いの店で芸能人相手に何度も何度も謝り、汚い言葉で罵倒されても我慢している由香ー・・。プライドなんてものは捨てたのか。



「おめぇはさっきから、それしか言えねぇのか?あぁ?言ってみろ。金か?抱いてほしいだけか?それとも自分の地位の向上か?お前が謝ってきてるのはドレの為なんだよ?」



「響!」


王子様くんの声とエリート君の声がかぶさる。

もう一人の遥君はずっと黙って、このやり取りを見ている。



「うるせぇ!黙ってろ!」

と“奴”が由香にグラスの中のウイスキーをかけようとした瞬間だった。さすがの私も堪忍袋の緒が切れた。
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