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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第6章 ホワイトとブラック
冷たくあしらってから、タクシーに乗り込む。
流しだけどー・・多分車種もホテル前のやつと同じだし大丈夫だろう。
「どこまで?」
「ロイヤルホストまで。」
すっかり夜になっていた。お腹が空いて倒れそうだけど、とりあえずチェックインして、この重い荷物を部屋に置かないとー・・。
着信履歴に残ってある柳沢の名前を見て思わずため息がでた。なんで・・よりによって、柳沢が勝っちゃうのかなぁ?
っていうか、あんなやり方脅しも同然だ。
私が表世界嫌いなの知ってる癖にー・・人の弱味につけこむなんて、本当馬鹿みたい。
心の中でたくさん毒を吐いていた時、私の電話がなった。これもスカイプだけどー・・シャキーラ?
「はーい。」
「シャキーラよ。」
「どうしたの?」
「どうしたの?じゃないわよ!
あなた、こっちのに映ってたわよ?」
「何が?」
「抱き締められて、キスした瞬間よ!ハンソンと。
顔がハッキリと捉えられていた訳じゃないけど、アジア人っていう事と、あなたの横顔はモロだったわよ。」
「仕方ないでしょ~?目の前で、あんなに悲しそうな顔されて何もしないって訳にはいかないもん。」
「確かにそうだけどー・・。まぁ、日本でもそのうち話題になるでしょうね。あなた、インターネットを甘く見ちゃダメよ。」
「大丈夫よ。友達少ないから。リークする子さえ居ないわ。ましてや、横顔でしょ?」
「はぁ・・やっぱり異国の地にいたら楽観的になるもんなのね。私はチャリティー大好き俳優と付き合った経験があるから、あなたがどうなるか分かるわよ」
「シャキーラは社交的でしょう?私はパーティーにも行かないし、本当に貴方と日本の友達、一人しかいないの。」
「まぁ、気を付けなさい。何もならないと思うけどー・・気付く人は気付く筈よ。」
「心配してくれてたのね。」
「当たり前でしょうっ!」
「あはっ。ありがとう。また連絡するよ。」
「えぇ。蓮や光の事も聞きたいし、待ってるわ。」