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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第6章 ホワイトとブラック
シャキーラと話していると本当に心が踊る。
外国人と居る自分っていうのは・・やっぱり少し明るくなるものだ。特に、彼女は本当に楽しい人。
女の子の悪口や、仕事の愚痴は言わない。
ちょこっと毒をはく事もあるけど、人が悲しまない様な、笑って流せる様なものなんだ。
だから、いつも素晴らしい男の人と付き合って
仕事の方でも、成績を残せるんだとおもう。
人柄っていうのは、外見にも出る
これは、あながち本当なのかも。
そんな事を考えて、窓の外を見る。
スタジアムから割りと近かったみたいだ。
もう立派に聳え立つホテルが見えている。
「ロイヤルホストか~いいね~」
「どうして?」
「マンチェスターブエノスのメンバーが泊まっているとおもうよ、此処。勿論、自宅に帰ってる人も居るだろうけどね。」
そっかー・・アーセもブエノスも同じイングランドだけど自宅が遠い人も居るんだ。
そうだよね、日本っていっても大阪や東京、北海道ー・・本当に色々だもん。みんなが皆、車や自転車で帰れる距離な訳がない。
「そうなのね。でもサッカーはわからないわ。」
「何人だい?」
「日本よ。イギリスの大学に行ってたから英語が喋れるの」
「そうか、通りでイギリス鈍りだと思ったよ。
それより、日本なら光は知ってるだろう?」
本当に、どこに行っても彼の名前を聞くな・・。
みんな、そんなにサッカー好きなの?
それとも、私たちがアメリカに行った時に
お寿司を知っているか聞くのと同じ感じかしら?
「彼はー・・さすがに知ってるわ」
いろんな意味でね!
「だろう?本当に最高の男だよ。」
ーー・・表の顔は、素晴らしいみたい。
「着いたよ。」
サッカーの話をできて嬉しいのか、笑顔でそう言われて、おまけに少しだけ安くしてもらった。
一応、丁寧にお礼を言いながら
ホテルマンの方に荷物を持ってもらってフロントへ向かう。
「菊乃小百合さんね?」
「そうよ。」
「特上の、スイートを用意しているの。どうぞ。」
優しく微笑むお姉さんの笑顔に吸い込まれそうになりながら、私は自分の部屋へ足を急がした。