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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第6章 ホワイトとブラック


隣のミュラーには私の声が聞こえたのか
おませな微笑みを向けてくる。

私はそれに対して、何も言葉を返さずに彼の頭をなでた。


「あぁ!パパの車!」

「本当ね、此処に停めてるんだ~」

走り出してすぐだった。有名なレストランが見えてきて、その傍にブリトニーは丁寧に駐車した。私とは大違いだな。

クローズという看板を気にすることなく、ミュラーを抱き上げて中に入っていく彼女の後を追う。店内に入った瞬間、パーティーらしいガヤガヤした声が聞こえてきた。

やっぱり彼女の予想通り、男より女の割合のほうが多い。
中には列記とした、ブリトニーみたいなフィアンセや彼女も居るんだろうけど、売春婦の様な綺麗だけど品が無い女の人が多いのも真実。

これがー・・ブリトニーが嫌いな女のタイプだろう。



「パパァ!」

「ミュラー!」

マークスと思われる人物は、まだ吹っ切れていないのか
悲しそうな顔をしながらミュラーを抱きあげて、何やら会話をしている。


「この人が小百合よ」

「あぁ!聞いているよ、はじめまして小百合」
「私もブリトニーから聞いてるわ。マークスよね?はじめまして」

握手をしてから、家族の時間をプレゼントするため
少し話して、すぐに彼らから離れた。

ウェイターにオーパスワンを頼んで、隅で様子を観察していた。


こんな場所に私は不釣合いでしょー・・。

本当に、絵にかいたブロンド美人ばかりだ。それが天然なのか作り物なのかは知らないけれど、まぁ綺麗でナイスバディー。

マセラなんか、ずっと女の子に引っ付かれてる。

なるほどね、やっぱり彼達は、こうなってしまうのかー・・・。


私なんか空気同然だろう。派手なドレスやワンピースを着ている中、私は真っ黒のワンピースに真っ黒のハイヒール。白色のジャケットは店内に入ってから脱いだけど、着ていても何も変わらなかったと思う。

それほどまでに、気合が入っている人が多いー・・。


まぁ決勝戦で負けたっていっても、あのアーセだもんね・・・。


ブエノスのパーティーに誘われたのはいいけど、ちょっと嫌になってくる。
第一、彼達は“勝った”んだ。これよりも盛大だろうー・・・。

誰かが気をきかして
本物のコールガールたちを呼んでいる可能性もある。




「あぁ・・・・。」


と嘆いたとき、店内に一人の男性が入ってきた。

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