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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第1章 遊びと本気




「あんたが一番ウルサイわよ」


「さぁー・・。」



「はぁ?おめー今何て言った?」



「貴方が一番うるさい。謝ってもらってるんやからそれでいいんちゃいますの?何て言われたら満足しはんのよ。お金目当てですって言われたいん?もしくは抱いてほしいって言われたいん?それで満足しはんの?」


「おめぇー・・っ!」

「だってそうやろう?この子は、自分が悪いと思ったから謝ってるのに貴方は“違う意味”を彼女に言わせようとしてはるやないの。結局自分の望んでる答えは何ですの?」
「もういいよ、さぁ。」


「良くない。ここまでいわれといて平然としてたらアカン。由香は謝ったんやからそれでいいねん。問題はそこからやろう?そこから後は、この人が100%悪いやないの」

「いい加減にしろよ、この貧乏人!!」


とグラスを私に投げつけてくる。自慢できることではないが反射神経はビックリするほど鈍い。こんなの避けれる筈が無い。


「おい、響。この子怪我してんじゃねーか。障害で訴えられるぞ」

やっとこさ口を開いた遥くんは割と、現実的な事を言う。


「訴えたらいいじゃねぇか。事務所が報道をもみ消すよ。金なんぞいくらでも払ってやる。とにかくここから失せろ!」


右目から涙をポツリー・・と流しながら、私の元へ駆け寄ってくる由香の頭をしっかりと抱き寄せる。


「響子さん、お騒がせしてすみません。」
「いいえ、それよりー・・怪我・・。ガラスで切れちゃってる。」


「大丈夫。いくらですか?」


「御代はいただけないわ。怪我させちゃったのに。」




「ー・・そうですか。そしたら、これチップです。受け取ってください。」

財布の中に二万円だけ残し、残りの現金を全てカウンターの上に置く。10枚束になっている万冊が5つ。全部で50万円だ。五年近く前、投資するのをあんなに夜な夜な悩んでいた金額を何も考えずに、今ここで出すことになるとは思っても無かった。

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