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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第6章 ホワイトとブラック

ひとしきり食べてから、ハンソンがチェックと言ったのが聞こえて、私は財布を出す。
「いいよ。」
「ダメだよ、何やってるんだ」
「あなた、何気に昨日のお会計も一人で済ませてたでしょ?
酔ってても、そのくらいは見えるものよ」
「あれは別だよ、クラブから落ちるだろうし立替みたいなものだ」
「それは可能性であるだけでしょ?裏返せば、落ちないかもしれないのよ?
クラブ主催のパーティーでもあるまいし。」
「だけど」
「だけども何もない。いつも私に出してくれてるんだからこれくらい出させて」
と半ば強引にウェイターにカードを握らせる。
「ーーー・・本当に小百合は変わってるんだから」
「はは。何とでも言ってちょうだい」
「案外気が強いんだね。でも・・こういうのはじめてだよ。」
そりゃそうだ、この人の性格なら女の子が知らないうちにお会計を済ましてるかもしれない。それくらいスマートな人なんだから。
「ありがとう。ごちそうさま」
「いいえ、私も素敵なお店に連れてきてくれてありがとう」
この人には何だかんだお世話になっているしー・・。
まぁいいかな。このくらい。
だって初戦のときに宿泊していたホテルの料金も払ってくれていたのだから。
これくらいさせてもらわないと
私が気を使っちゃう。
男と貸し借りなんてー・・・うん、作りたくないよね。

