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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第7章 波乱の幕開け
「あ、わりぃ。また連絡するわ。」
「え?せっかく良いネタなのにーー・・?
まぁお前にしか言ってねぇし、今度、焼肉おごるよ」
水滴がついているグラスを拭いてくれたウェイターに軽くお礼を言って、私の目をしっかりと見つめる、この最低で最高に性格の悪い男。柳沢ー・・・。
「どう?俺が、いつも本気だって分かった?」
「--・・。とりあえず理由を教えて。
なんで私?薬指の指輪から見て・・彼女いてるんじゃないの?」
「はぁ?あんた、なにそんなウブな事言ってるの。
これは“女避け”以外の何モノでもねぇよ。」
薬指の指輪はー・・女避け。
まぁ納得できる。ハンソンと引けを取らないくらいの男・・・。
日本人離れした体格。でも、ボディービルダーの様な筋肉ではないから、スーツなどがよく似合う。
顔立ちも、本当に端正でー・・嫌味がない。
品を感じる・・まさにどこかの国の王子様みたいな人。
そんな男性を放っておく筈ないもの。
恋愛に国籍や肌の色なんて関係ないわ。
「わかった。それは納得。
じゃあ根本に戻ろう。何で籍をいれなきゃダメやの?
しかも四ヶ月だけってー・・・。」
「理由は2つほどある」
「数は聞いてないわよ。内容を聞いてるの」
「言いたくない。」
「ちょっとー・・言いたくないじゃないやろう?
それは、言わなきゃあかんことちゃうん?」
「何で?別に俺はお前のことも束縛しないし、
ただ面倒見て飯作ってくれたらいいんだよ。」
「それでもー・・戸籍上を考えてよ。
一応“夫婦”になるんやで?」
「あぁ。だけどお前には言いたくない」
「じゃあ、誰になら言えるの?」
「誰にも言いたくねぇ」
ーー・・子どもか!っと突っ込みたくなるほどの強情さ。
私に強情って腐るほど言ってくるけど
コイツも変わらない。いや、もっとタチが悪いかも。
「そんな事言ってたらラチあかんやんかぁ~・・・」
「お前が聞いてくるからだろう。別に料理も得意なんだし
俺はその四ヶ月、ずっと日本に居るしいいじゃねぇか。」
「あのねぇ、何でもかんでも物事を楽観的に捉えすぎよ。
ご飯を作るのも苦じゃないし、貴方を朝起こすのも苦じゃない。
だけどー・・・私にも仕事があるしー・・」