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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第7章 波乱の幕開け
「ヘイ、スミス・ポール」
「光~!本当におめでとう!
私も前列で見させてもらったよ!!」
「アディダスの宣伝、俺、結構頑張ってたでしょ?」
「あぁ。あの時に腕につけてたリストバンド
何と・・・売り上げが6倍にも上がったそうだ。君のおかげだね」
「はは!それは良かった。」
「はじめまして、私は彼のガールフレンドの小百合です」
「小百合・・・?綺麗な名前だね。その着物は日本製か?」
「えぇ、勿論。あなたも凄く高級そうなスーツを着ていらっしゃるのね」
「気付かれたか・・・まだ誰にもそんな事は言われてないんだ。
マークスなんか、俺を見るなり“ペロペロのスーツだねぇ”なんて言いやがった」
「本当ですか?それは笑っちゃう話ね」
「あぁ。君は“見る目”があるみたいだね」
「そうなのかな?」
「そうだよ、きっと。これに気付ける人は居ないんだ。
まぁ“能ある鷹はつめを隠す”というしね」
「あはっ!それはそうよ。
貴方ほどの人ならば、隠すべきね」
「そうだろう?」
一応、腐っても経営者。
目上の人にはどんな態度で、
そして、何を褒めるべきかは分かってるつもり。
そして、ダテに高い服を買ったりもしていない。
良いモノは見分けれる様になった。これは結構重要なステップアップだったのかもね。
「良い人を捕まえたな、光も」
「そうかな。確かに日本人らしい女性だよ」
「日本人の妻を貰って、アメリカの家に住んで
中国人のシェフを雇って暮らすのが一番の幸せというだろう?」
「あぁ!何か聞いた事あるわ、それ!」
「小百合はー・・・とても素敵な妻になるだろうね」
「だといいな。」
「結婚は?」
「するよ。近々。でも挙式はしない。」