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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第7章 波乱の幕開け
九月一日。
秋の風が目立ちはじめた。だけど、やっぱり地球は可笑しいのだろう。全体的に見ると蒸し暑い日々がまだまだ続いている。
柳沢との戸籍上の夫婦生活は、一週間前からはじまっていた。そして、今日から残りの日々を彼と二人で過ごす。緑山に住んでいた柳沢だけど、どうやら先月いっぱいでマンションを解約したらしい。
私の家での共同生活ー・・。
部屋も一つ余っていて
私はそこにパソコンを三台置いて、事務所みたいに使っていた。ある時は店舗の経理を。そしてある時は、今流行りのエフエックスや株の取引ー・・。
まぁお金の匂いがこびりついている部屋だと思う。
だから、別に同居人が一人増えただけで困らない。
知らない間に世帯主も彼に変わっていた。
家賃は彼の口座から引き落とされる。
貯金し放題って訳よね~。
窓をあけて、空気の入れ換えをしていた時。
ちょうど部屋のインターホンが鳴った。
鍵を持ってるはずなのにー・・自分で入ってきなさいよ。
「はーい。」
ーー・・ゴンゴンゴンッ!!
とドアを激しくノックする音。
「もうーー・・ちょっと位
人を待つっていうこと覚えたらいいのに。」
私服や彼のユニフォーム・ボール・トロフィーなど必要な私物は結婚二日目で、こちらに送ってきていた。
荷物もそんな無いでしょうに・・
と思いながら、私は真っ白のドアノブに手をかけて
ゆっくりと扉を開いたーー・・。