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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第8章 パパとママ
紫音を布団の上におき、夕食の準備に取りかかろうとした時、ちょうど私の電話がなった。
「もし「小百合!!」
ーー・・この元気な声。
シャキーラね。
彼女には、今朝、ちゃんと全てを書いたメールを送信した。これで、柳沢が求婚してきた理由が彼女にも伝わるだろう、と思いーー・・。
「あんた、あのメール何?!本当なの?!」
「勿論。すっかり仲良し家族よ。」
「でもーー・・まぁいいわ。とりあえず四ヶ月は、しっかりと面倒見てあげないとね。」
「そうね。」
「だけど、大変よね~光も子どもじみた所あるし
あんたある意味、二人の男の母親よ?」
「あはは!それはそうかも!」
「ーー・・彼は、紫音に本当の事をいずれかは伝えるつもりなのかな?」
「さぁ?そこまでは聞いてない。
でも伝えると思うわよ。お前の両親は、素晴らしい人物だったってね。」
「映画に出来るんじゃない?」
「柳沢曰く、そういうネタにされるのが嫌いだから公表したくないんだって。偽善が嫌いなんでしょうね。」
「偽善と思われるのが、ってこと?」
「そう。自分から公表するのは、また違うと思ってるんじゃない?だから、アイスバケツチャレンジもしなかったみたいだし。」
「あー今流行ってるわね。でも、彼の性格なら寄付はしてるでしょう。」
「結構してると思う。ハンソンも寄付してるわ。」
「その二人は、いくらスター選手が多いサッカー界の中でももう別格よね。」
「うん、確かに~」
「あんたも、いくら期限付きとはいえ
えらい人間と結婚したものよー・・いまだに信じられない私が居るもの。」
「私も、隣に紫音が寝てて・・紫音にミルクあげて、おむつ替えてから柳沢起こすっていう朝、まだ信じられないわ。」
「そりゃそうよね~。すべてが急だったもの。」
「えぇ。ーー・・確かにね。」
「でも可愛い子じゃない、紫音。
とりあえず今は与えられてる事をしっかりとしてあげなさい?四ヶ月経ってから三人がどうなるかはー・・誰にも分からないんだから。」
「そうね。ありがとう。」
「いいえ。また、祝いでも送るわ」
「うそー、本当に?」
「えぇ。小百合の子どもには変わりないもの。」
「ありがとう、シャキーラ。」