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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第8章 パパとママ
“暇”
彼の辞書にそんな言葉あったんだ。てっきり、仕事以外はひたすら寝て過ごしてるタイプだと思ってた。
「あんたも仕事ないんだろ?明日は」
「そうね、一応、午前中に事務所のパソコンの配置と電気工事の様子を見に行くだけかも。」
ーー・・そうだなぁ、そうなると確かに暇かも。
常に動いとかなきゃダメなタイプではないけど、お昼から柳沢と家で二人一緒はある意味、気が張りそう。疲れちゃうわね。
「じゃあ、どっか行こう」
「でも紫音が居るからあんまり遠出は出来へんよ。」
「分かってる。だけど、前に比べたら涼しくもなってきたし車もあるから割と大丈夫だろう。」
「どこ行くのよ?」
「どこがいい?」
どこがいい?って、こんな時だけか・・・。私に選択肢が与えられるのはー・・。
「ん~」
でも唐突すぎる話だしなぁ・・。紫音が居なかったら、アミューズメントパークとか映画とか言えたけど、やっぱりこの子が居ると行けるところも限られてしまう。しかもー・・相手は柳沢。人通りの多いところはいけないだろうし・・・。
「俺のことは気にしなくていいよ」
「へ?」
「人多い所いけないって思ってたんだろ」
「何で分かったのー・・・。」
「分かるわ。」
「・・・でも、あんたがよくても私がいやよ。二人ならまだしも紫音連れてるのバレたらどうなる事かー・・・。」
「バレたら公表すればいいじゃん」
「公表って・・離婚するまーー・・っ・・」
そっか、何か自分で言いかけて苦しくなった。
誰が、こんな風景を見て、会話を聞いて・・私達が仮面を被っている夫婦だと思うだろう?至って夫婦仲はよさそうで、出掛ける時間もあり、私も彼もお互い“妻・夫”としての役割を果たしているー・・。
だけど、裏を返せばーー・・
私達はただの“夫婦契約”を交わした仲に過ぎない。
いくら二人の思いをつないでくれている紫音が居ても、その根っこの真実は覆ることはないだろう。それがー・・お互い心の奥底に秘めている思いなのだから。
彼が言った言葉
“つけあがることもなさそうだし
干渉することもなさそう・・・”
そうなんよ。私は、つけあがっちゃイケナイ。
干渉もしちゃイケナイ。
彼の辞書にそんな言葉あったんだ。てっきり、仕事以外はひたすら寝て過ごしてるタイプだと思ってた。
「あんたも仕事ないんだろ?明日は」
「そうね、一応、午前中に事務所のパソコンの配置と電気工事の様子を見に行くだけかも。」
ーー・・そうだなぁ、そうなると確かに暇かも。
常に動いとかなきゃダメなタイプではないけど、お昼から柳沢と家で二人一緒はある意味、気が張りそう。疲れちゃうわね。
「じゃあ、どっか行こう」
「でも紫音が居るからあんまり遠出は出来へんよ。」
「分かってる。だけど、前に比べたら涼しくもなってきたし車もあるから割と大丈夫だろう。」
「どこ行くのよ?」
「どこがいい?」
どこがいい?って、こんな時だけか・・・。私に選択肢が与えられるのはー・・。
「ん~」
でも唐突すぎる話だしなぁ・・。紫音が居なかったら、アミューズメントパークとか映画とか言えたけど、やっぱりこの子が居ると行けるところも限られてしまう。しかもー・・相手は柳沢。人通りの多いところはいけないだろうし・・・。
「俺のことは気にしなくていいよ」
「へ?」
「人多い所いけないって思ってたんだろ」
「何で分かったのー・・・。」
「分かるわ。」
「・・・でも、あんたがよくても私がいやよ。二人ならまだしも紫音連れてるのバレたらどうなる事かー・・・。」
「バレたら公表すればいいじゃん」
「公表って・・離婚するまーー・・っ・・」
そっか、何か自分で言いかけて苦しくなった。
誰が、こんな風景を見て、会話を聞いて・・私達が仮面を被っている夫婦だと思うだろう?至って夫婦仲はよさそうで、出掛ける時間もあり、私も彼もお互い“妻・夫”としての役割を果たしているー・・。
だけど、裏を返せばーー・・
私達はただの“夫婦契約”を交わした仲に過ぎない。
いくら二人の思いをつないでくれている紫音が居ても、その根っこの真実は覆ることはないだろう。それがー・・お互い心の奥底に秘めている思いなのだから。
彼が言った言葉
“つけあがることもなさそうだし
干渉することもなさそう・・・”
そうなんよ。私は、つけあがっちゃイケナイ。
干渉もしちゃイケナイ。