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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第8章 パパとママ

「どんなに自信過剰な女性でも、
金銭的に恵まれている女性でも、

ママになる時には誰だって不安に思う」


「それが初めての子なら尚更だね。

しかも、小百合。あなたは自分で抱え込んで、一人きりで解決してしまおうとする癖がある。」

「大人なんだから、その癖は勿論大事だ。

でもーー・・それだけじゃダメなんだよ?」


「大人でも、失敗はする。

毎日が勉強。毎日が新しい発見ー・・。

そんな日々の中で、この子を引き取ったならー・・
誰よりも抱えてるモノは大きいだろう。」



「抱えてるモノーー・・。」


「この先どうなるんだろう?とか、
この子の母親としてやっていけるだろうか?とかね。

そういう不安が、人より少し大きいんだ。
環境が環境だからー・・


でも赤ちゃんっていうのは、母親の悩みや不安には本当に敏感なんだよ。小百合がそうやって、悩んで悲しんで自分自身を卑下する事は、この子を不安にさせる事にも繋がる。」



「紫音を不安にさせるーー・・か。」



「紫音っていうのか?きれいな名前だね。

ーーー・・血の繋がりは、時に強く時に憎い。

だけど、それだけが家族じゃない。
世の中には血が繋がってなくても、血が繋がっている家族よりも絆が深い人たちは沢山いるだろう。」



「小百合、なにも不安に思わなくていい。

目の前の事にだけ必死になってみて。

ーー・・じゃあ、自ずと道は広がるよ。」



まるで、優しく、子どもに語りかける様な口調でそう伝えてくれるおばあちゃん。

紫音は、さっきまでの機嫌の悪さが嘘のように、今はぐっすりと眠っていた。切り替えの早さに笑いそうになる。


「ーー・・不安になってたのかな。紫音。」

「あぁ。小百合を見た時におもった。いつもの自信過剰なキラキラしてるオーラがないってね。」


「自信過剰って、ちょっと~!」


「あはは。静かにしないと起きるよ。」

廊下でのながい立ち話ー・・こんな空間で、こんな有意義な話が聞けるなんて思ってもなかった。私は確かに自分に自信を無くしていたのかもしれない。

先の事ばかり考えて

一人で悩んで、一人で怖じ気ずいてー・・。


私がするべき事はー・・もっとあるはずなのに。

今しなきゃいけない事が。

今しかできない事が。
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