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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第8章 パパとママ

「あんたは?明日仕事?」
「うん。でも夜中から」
「どこまでいくの?」
「新那加の焼肉屋さん知ってる?」
「新那加・・・あぁ!千って所じゃねぇの?」
「そうそう。そこでミーティングあるの。1時から」
「1時?何時まで」
「たぶん3時くらいかな。
だから紫音のこと、よろしく」
「それは大丈夫だけど・・・帰ってくる足あるのかよ?」
「うん、代行でも呼ぶよ」
「ふーん・・・。何の話し合い?」
「それは難しい質問。一言では説明できないけど・・・この街に来た“理由”関係かな?」
「事業拡大ってやつ?」
「そうそう。あたしそんな事まで言ったんや~」
「お前が自分がしてる仕事ではないんだろ?
何店舗か店持ってるって言ってたヤツ」
「それは違うよ~。
そっちは、あと2週間は平和やね。
月末締めやから、
それまでは何の計算もしやんくていいし」
「へぇ。何か大変なんだな」
「そんな事ないよ。柳沢のほうが大変なんじゃない?」
「どうだろ。ま、明日来たら?緑公園」
「--・・どの流れで、そう思ったの?」
「別に。来たことないんだろ?どうせだし、遊んでいけばいいじゃん」
「でもー・・夫婦ってバレたら・・・」
「馬鹿か。バレる訳ないだろうが。
まだ紫音はパパとか言えねぇし。あんたと俺が口を割らなかったら大丈夫だよ。あ、あと俺のマネージャーもだな」
「え?マネージャーとか居るの?」
「居るわ。あんたの前で話したことあるよ。電話だけどなー・・・。」
・・・あ。私が空港に送っていく前の会話の人かな?
確かに、あんな仕事の深くまでを会話をするのはマネージャーくらいか。
「じゃあその人は知ってるんだ」
「さすがに・・・。宮間さんのこともよく知ってるから、何も言われなかった」
「へぇ。良い人やん。」
「まぁな。で、来るの?こないの?」
「ん~行ってみたいけど・・
紫音、虫に噛まれへんかな?」
「大丈夫に決まってんだろ。ほんと過保護。」
ーー・・あんただけは言われたくない言葉だ。
誰よ、時間があれば紫音のベビーカーや洋服をネットで探して・・・哺乳瓶を何回も熱湯消毒して使うのは・・・。
そこいらの新米ママよりも心配性の過保護のくせして。

