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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第9章 主婦の長期休暇
「何か飲む?・・これ何だ?」
「これはコカ・コーラよ。あ、そっか。日本ではペプシよりコカ・コーラの方が人気あるのよ。」
「へぇーそうなんだね。」
「私は日本茶!いただきます。」
「あぁ。気にしないで良いよ。好きなだけルームサービスも頼んで良いし、飲み物も飲んでいい。」
「あら、太っ腹ね。」
「僕のお腹見たいの?」
「誰もそんな事言ってないわ。ばーか!」
「ははは!本当に面白いよ、小百合は!」
二人でダブルサイズのベッドに腰掛けながら冷たい飲み物で喉を潤した。この心地ーー・・柳沢に取ってもらったホテルで使ったベッドと同じかもしれない。
何となくにている。布団もね。
「どうだい?最近。」
「紫音がもうすぐで寝返り出来る様になりそうなの。」
「おー、そうなんだ!」
「えぇ。ミルクもよく飲むし、もうあっという間に離乳食もはじまるし・・今の内にたくさん写真とムービーとっとかないとね。反抗期の時にそれ見て思い出すの。
"昔はこんなに可愛かったんだ・・"って。」
「ーーー・・そっか。まぁ、紫音のママは君だけだからね。いつまでたっても。」
私は、そこで急にハンソンのテンションが下がった理由に気がつく。彼は、私がこれからも紫音を愛し続けて紫音の母親で居る事にたいして、少なからず不安や疑問を覚えているのだろう。
その不安の間には
絶対に柳沢が浮かんでいるはずだ。
「安心して。私は、柳沢の事は好きじゃないわ。」
「本当に?」
「えぇ。今は旦那として彼の事を愛してる。
でもそれは恋愛感情の"好き"とはまた違う」
・・と思う。
うん、別にキュンッてしないし。
「なら・・安心だね。」
「えぇ。」
「小百合は、もし僕と結婚したらどんな子供が産まれると思う?」
「ふふ、なにそれ!
ーー・・ん~サッカーが好きな男の子か私みたいに我が強い女の子かな?」
「小百合みたいに・・。思春期が怖いね。」
「一緒にパンツ洗ってくれなくなるわよ?」
「あーそんな事言わないでくれ。
女の子ほしいのに!怖さが勝ってしまうよ!!」
本気で思春期を恐れていそうなハンソンに笑いがこみあげる。どんな人でも異性の子供には弱いっていうのは本当なんだね。