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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第10章 嫉妬心は愛情の塊

腰の痛みは、もうマシにはなった。
でもやっぱり、前程元気に走り回ったりはできない。まだ時間がかかるんだろうな。


「ハンバーガーのセット1つと・・」

「ハッピーセットのナゲット。
ソースは甘いの」

「らしいです。聞こえました?」

小馬鹿にする様に、そんな事をお姉さんに聞く柳沢。もう一回復唱してくれれば済む話なのにね。

「あんた幾つなんだって話。」

「ハンバーガーとか食べへんもん。変な冒険はしたくないタイプ。A型やし。」

「関係ねぇだろ。」


あーぁ、きっと私が望んでいたのはハンソンとのこういう会話だったんだろうな・・。


「いくらですか?」


"1893円になりまーす!"


高校生くらいの女の子は財布からお金を出す男が柳沢だという事に気がついていない。それもそう、それだけのスターが朝マックにドライブスルーで来ると思う?普通なら思わないだろう。

車内にポテトの美味しそうな匂いが充満して、お腹がぐるぐると音をたてそうになった。



「久しぶりに食べたくならない?」

「何を?」


「ファストフードとか」


「あー分かるっちゃ分かるかもしれへん。」


ワーワーと騒いでいる紫音と遊びながら軽く返事をした私。バックミラー越しに目があったけど、特にそれ以上は会話は続かなかった。

家に帰ったら、これ食べて、
お風呂はいって化粧して掃除ーー・・。

はぁ、自分が経験してみて分かったけど
本当に主婦って大変だよね。


"専業主婦"じゃなくて
"戦場主婦"でも良いよ、きっと。

いくら片付けても掃除しても
パパや子どもが帰って来たら全てが水の泡ーー・・。

だからと云って、怒れば「なにそんなカッカしてんの?」って言われそうだし。

本当に戦場だよ。

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