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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第10章 嫉妬心は愛情の塊


洗いたてで、ふわふわしている髪の毛に軽くワックスをつけて毛先にウェーブをかける。

心なしか赤く光っているこの毛色は生まれつき。
赤毛のアンなんてほど良い物じゃないけど、高校生の時とかは地毛だから痛む事もなく他の子よりも目立つことができて嬉しかった。

海外では、青っぽい黒髪の方が日本らしくて好まれるんだけどね。

向こうで染めるのが面倒だからといって、日本を出る前に黒染めしたけどー・・色が出てきて変な髪色になってしまった日本人の女の子を何人みてきたことか。思い出せない程だ。


洗面台に綺麗に並べられてある香水を1つとって、首元にプッシュした。ーー・・見慣れない黒色のボトルの物は柳沢が持ってきたのかな?

「おい、行くぞ~」


「え?!パパもいくの?!」



「あぁ?腰心配してやってんのに、何だよその言いぐさ」


「あ、ごめん。ーー・・行こう、一緒に。」


すっかりと綺麗になったリビングに置かれてある紫音のお出掛け用品。これも用意してくれたのかな?

案外この人も変なところ几帳面だったりしてね。

ゴールドの少し大きめの時計を腕につけて、薬指に指輪をする。意味なんてないー・・ただ、今は家族だから。

柳沢が私と結婚しても、ライアーリングを外さない様に私も結婚期間中はライアーリングをつける。


「紫音~飛行機見れるわよ~」

「うーー!」


「ははっ!もう本当にお喋りなんだね。」


「おい、先行ってエレベーター押してきて。」


空気の読めない日本語が私の耳にはいって、少し嫌な顔を彼に向けてから、もう一度抱き直して、私と紫音はエレベーターの方に歩いた。戸締まりは彼の役目。

ーー・・やっぱり、三人で居る時に英語の方が良いのかな?柳沢の発音はロシア訛りだけど別に苦じゃない。っていうか本当に綺麗だ。

それなのに日本語は、スラング使いまくり、
汚い男言葉使いまくりー・・絶対教育に悪いわよね。


クイーンズ・イングリッシュとまではいかなくとも
上流階級の様なスピード、言葉遣いで英語をしゃべれるのなら

それを是非、日本語でも実践してほしい。


そうすればー・・私も、元の私の様に
もっと落ち着けて冷静になれるだろう。


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