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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第10章 嫉妬心は愛情の塊

午前一時。
もちろん、私は寝れる訳なんてなかった。
隣の紫音は、まだ一度も起きていない。よほど眠りが深いのか。
私と紫音だと、やけに大きく感じるベッドー・・。
いつもは寝相最悪の柳沢が居る。
でも、まだ寝室に足を踏み入れてこない彼。
私の予想では、一時間程前にシャキーラは、布団に入ったはずだ。グッドナイトという声と共に、扉が閉まる音が聞こえた。
気まずい雰囲気を察知して、彼はリビングのソファーで寝てるのかな?
水を取りに行く事を少し躊躇う。
まだ起きていて、鉢合わせしたらー・・うん、純粋に嫌だもん。どんな顔したらいいのか・・。
毎日見られてる顔だ。
目が腫れてるのに気付かれる可能性も多いにある。
だけど、人間さ。
食欲・性欲・睡眠欲には勝てないものなのよ。
意を決して、恐る恐るリビングに向かった。
「まだ起きてたのかよ。」
「ううん。寝てた。
喉乾いたから勝手に目が覚めたんよ。」
「あ、そう。ってか何、その目?」
「へ?」
ばーー・・ばれた!!
ちゃんと下むいてたのにな。
こいつの洞察力は侮れない事を実感させられた瞬間だった。
「泣いてたのかよ」
「まぁ、思いだし泣きってやつ。」
「はぁ?」
「少し前に見た戦争映画思い出して。」
「ーー・・。」
「あ、水もうないやん。」
「お茶ならあるだろ。」
ぎこちない会話だな~。
「あんたさ」
「うん?」
「さっき、ハンソンとラブラブって言ってたけど」
「うん。」
「それ、本当の話?」
「何言い出すのよ。腰いたくて立てなかったのがその証拠でしょ。」
「・・。そうだな。」
「なに?どうしたの?」
「なんもねーよ。早く寝ろ」
呼び止めたのはあんただっての!
「うん・・。おやすみ。」
「あぁ。」

