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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬


もう、半強制的なんて可愛いものじゃない。
強制連行そのものだ。

服を無理矢理脱がされて、私はお風呂場に力強く押された。

まだ明るいしー・・バスタオルもないって・・。
隠せないじゃん・・。


「恥ずかしいなら、さっさと浸かれよ。
突っ立ってるほうが見えるだろーが」


「わかったわよ!」


冬の風が心地よい。
優しく吹雪く冷たい空気と、あったかいお湯がすごくマッチしていて、気分が落ち着く。

光に抱かれてる紫音も、元気に手で水をちゃぷちゃぷして遊んでいた。楽しいんだろうな。






ーー・・でも、目のやり場に困る。

俯いたら彼のモノが目に入るし、
だからといって顔をあげても、綺麗な腹筋と美しすぎる顔立ちに気をとられて頬を赤めそうになる・・。

生きてるだけで罪だな、ここまできたら。



「照れてんの?」

「んな訳ないじゃんっ!」



「あ、太ったな。あんた」


「うそ?!」



「本当。前よりぷくぷくしてる。」



ショック。・・ここ最近食欲がすごかった。ヘタしたら試合前で気を使ってる柳沢よりも食べてたかもしれない。


二の腕をつままれて、真実を実感した。


ーー・・私本当に太ったんだ・・。



「やばいよ。ショックなんだけど。」

「あんだけ食べてたら太るだろ、普通は」


「食欲がさぁ・・」


「いいわけだな。」



「うっ!ーー・・いいもん別に。」


「ダメとは言ってねぇだろ。」


「・・」



「女は肉付きあるほうがいいよ。色っぽい」



「色っぽいって・・。私に性的欲求感じないでしょ?」


「俺がいつそんな事言った?」



「いや、言ってないけどー・・。抱いてこないし。」



「俺も色々あんの。しょうがないだろ。なに抱いてほしいわけ?」

「抱いて欲しいとか一言も言ってない!」



「はは。じゃあ、そんな物欲しそうな顔すんな。」



完璧に馬鹿にされてる。


紫音と遊ぶ柳沢はすっかりパパの顔。紫音をはじめて連れてきたときの自信の無さそうな顔でも、私を抱くときの男らしい顔でもない。

ーー・・夫婦ってこうなのかな?

これがセックスレス夫婦、か。結構辛いかも。
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