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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬



「あんたの事はどうでもいいんだよ!

先に紫音ふけ!」



ーー・・きれいな室内に響く柳沢の声。

怒られるのは嫌だ。そう思った私は、自分の着替えを後に回して、紫音の身体を軽く拭き、寝巻きに着替えさせた。

でも、女の子だったら先に服を着たいじゃない?いくら夫婦とはいえー・・羞恥心というものはある。

自分はちゃっかりスポンサーであるアディダスのジャージ着てるのにね。本当に自己中なところがあるよ。この人は。最強に性格が悪い。


髪の毛がまだ濡れている紫音だけど、先に挽かせてもらったお布団の上でごろごろしていた。ー・・濡れちゃうけど、いいかなぁ?どうせ、あの布団で寝るのは私たちだし。


「水要る?」

「あーうん。ありがとう。」


「・・・・はぁ!美味しい~。」

バスタオルを身体に巻いただけの状態で、柳沢から投げられたペットボトルのお水を半分程まで飲み干した。

お風呂あがりの冷たい飲料水って本当生きた心地を強く感じさせてくれるのよね~。



「紫音、楽しそうやったね。」

「あぁ。身体冷えてなかったらいいけど。」


「大丈夫やろ~。」


「かな。」


深く座り込んでいる彼の携帯がなった。いつも思ってたけど、この着信音結構古い歌よね。ーー・・昔の恋愛ソング。純粋に好きなのかな?それとも・・思い出の曲とか?


「もしもし。」


「うん。はぁ?俺がドラマ?嫌に決まってんだろ。」




「普通に考えろ。俺はサッカー選手だ。

その役柄なら、蓮か響辺りが受けるだろ。」


「・・・・んな事知らねぇよ。

第一、イギリスとの親善試合決まってるんだぜ?」



「あぁ。あぁ・・それも分かってるけど・・。

俺はドラマとかにはでない。
そっちは岸野に任せろよ。」



「連ドラなんか余計イヤに決まってんだろ!」



珍しく、声をあげる光。本気で怒ってるわけではない。でも一歩も引かない電話先の相手に苛々してるんだろうな。それは私でも分かる。


ふふ、だけど、柳沢が連ドラー・・これは笑える。


どんな役柄よ?自己中で横暴で他人の痛みを理解できない超亭主関白な役だったら・・もう完璧よね。

約作り愚か、台本も見ないで良いんじゃない?


なんて想像して、口角が上がったのをしっかりと見られて、睨まれる。

目線だけで人を殺せそうだ。

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