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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬
「わかった?俺のどこが悪いか。」
「わかるわけないやんっー・・ただイかされてただけ」
「何で?」
何だか愛おしい気分になって、彼の広い背中に腕を回す。
ーー・・拒否されることは無かった。
「何でってー・・指で・・・あっ・・」
そういえばー・・何で射れなかったんだろう?
ズボン越しからでも感じる彼自身の温もりー・・。
私が男なら、女の人が“もう何もしたくない”ってなる前に己をいれて、繋がることを選ぶだろう。濛々とした気分で、女の人が復活するのなんて待てない。
今すぐにでも射れたい気分になるのが男じゃないの・・・?
起ってるところを見る限り、興奮してないわけじゃないでしょう?
「腰だよ。」
「腰ー・・・?」
「あんた、俺に聞いてきたことあるだろ。
今までラフプレーされたことあるかって。
三人でアミューズメントパーク行ったときにさ。」
「あぁ・・・うん。」
「その時に俺、何て答えたか覚えてる?」
「勿論。
ー・・・相手に拳で、腰を思いっきり殴られたって。
ーーー・・びっくりするくらい痛かったって・・・」
ーー・・まさか・・・・。
「大正解。」
「うそー・・。
でもそれってプレミアムリーグはじまる前の話でしょ!?
もう半年近く経つやんかっ・・・」
「そんなモンだよ。
痛いからって病院行けない。
もしそれで、行ったらどうなると思う?
傷の状態によってはドクターストップだ。」
「ドクターストップになったらチームにも迷惑がかかる。
まぁ普通の試合で、そこまでのラフプレーしてくる相手が一番悪いのは確かだけどー・・。でも、それでも給料を渡してくれてるのはチームだからな。」
「チームに迷惑かけたくないからー・・
優勝したかったから、病院にいかなかったの?」
「あぁ。じゃあこの有様。
結構ひどいらしい。」
「もうサッカー・・できへんの?」
「出来なくはない。
でも、リハビリしなきゃいけねぇし。
手術も必要。どうしてもブランクはあるわな。」
「だけどそれ以上に重要な問題がもうひとつ。
今までと同じレベルでサッカーできるか、だ。
後遺症・・とまではいかないけど、やっぱり手術後は色々問題が出てくるからな」