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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬
「貴方は、私が結婚するって決意を話したとき、
守るって言ってくれたやんか?
私も、紫音と貴方を妻、そして母として
サポートして何かあったら自分の命に代えても守るって言った。
それが夫婦としての“夫・妻”の役割やと思うからー・・・」
「貴方はー・・柳沢はー・・・
私との契約期間を気にして
“どうせ契約夫婦やのに言う必要もない”
って思ってたから言わへんかったんかもしれへん。
でも私は言ってほしかった。」
「じゃあ重い荷物も持たせへんし
無理な体勢もさせへんし
紫音を抱っこもさせへんかったーー・・!!」
寂しかった私の背中に、
彼の男らしい腕が回される。
「俺は、お前に興奮しなかったから
あの日以降抱いてなかったわけじゃない。
抱きたくても抱けなかっただけ。
ーー・・・本当は、お前に興奮してたし欲情してた。風呂上がりの無防備な格好とか見たら
“コイツ馬鹿じゃねぇの?”って思ってたけど、それ以上に男の本能が頭を巡ってた。」
「もっと何でも話してよーー・・っ。
女関係とか・・そんな事はどうでもいいし
干渉も束縛もせぇへんからー・・・。
大事なことは話してよっーー・・!」
私の頬に一筋の涙が集う。
「忙しかっただろ?
紫音の面倒見て、仕事して、
俺の送り迎えして・・・・。」
「いいか、小百合。
男ってのはな、
“これ以上迷惑かけたらダメだ”っていう自制心が女よりも強いもんなんだ。同情してほしいとか、助けてほしいって気持ちは外に出さない。」
「それは男の勝手なプライドであっ「最後まで聞けよ。」
「--・・・。」
「どうでもいい相手になら、そんな事思わない。
精一杯格好つけたい女の前なら強く思ってしまう。
“甘える場面”があるっていうのは誰もがわかってる。
でもーー・・・
格好つけたい程に、大切な女の前で弱音ははかない。」
「だから、何度も言う様に。
あんたは俺のことを何もわかってない。」
「わかってるって!」
「わかってねぇよ。」
胸を押し返そうとするけれど
彼の強い力で抱きしめられて離れることが出来ない。
「それくらい大事に思ってる女が違う男に抱かれるのを何も思わないと、あんた思ってんの?」