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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬





ーー・・ポインセチアと柊の花の匂いが、リビングに充満する。

ポインセチアはメキシコ産で、冬の花の代名詞として知られるのに寒さには本当に弱い。
花瓶を置く位置を変えてみたけどー・・これで大丈夫なのかな?


可愛らしい歩行器と、この花束、
そしてー・・オーダーメイドで作ったと思われるネックレスが先ほど、私の家に宅配便で届けられた。

送り主はー・・勿論、柳沢。


丁度、自宅で三人で夕食をとっているときに
イギリスから届いたクリスマスプレゼントに敵対心が湧き上がったのだろうか?

送り主名の“ハンソン・ジョンウィース”

という文字を見てから、すぐ。
私の許可を取る前にプレゼントをあけたときの彼の顔ー・・それはそれは恐ろしいモノだった。


彼からの送り物は、綺麗なダイヤが散りばめられた腕時計と、おそろいのイヤリング。

ブラックダイヤとの組み合わせが凄く綺麗でセンスを感じる。





ーー・・今年中に、まさか
これだけのアクセサリーを貰うなんて考えてなかった。


っていうか、宅配便で手配するんじゃなくて
直接渡してきたら良いのにねー・・・。変わってる人。

一緒に住んでるのにー・・・。



どこか苦笑いを浮かべながら、ハンソンからの時計と、
彼からのネックレスをつけて、紫音を連れて買い物に出掛ける。


試合まであと少しー・・。

食生活には本当気を使うよ~。



首元に綺麗に光るガーネットの石。

原石かな?加工品よりも重い。



だけどー・・彼からの精一杯の愛情を感じる。



私は、まだ彼への思いを伝えていない。

だって正直なところ、分からないでしょう。


ハンソンへの愛が解けたからといって、
すぐに柳沢のことを愛しているかなんて確信できない。

そこまでチャラチャラしていないと思う。


いろんな人と身体だけの関係を持ったり、
遊んだりしてきた。


でも本気で愛した男にはー・・それなりに、熱い思いがある。


一気に何人もの男性を愛せるほど、器用な女じゃない。
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