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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬
「そっか・・・ありがとう。
でも言いたいことがある。
俺はさぁの事、吹っ切れてない」
「・・・。」
「別に返事がほしいわけじゃないんだ。
確かに時間はかかると思うし、
俺自身取り返しのつかないことをしてしまったのも重々承知してる。
ずっと待ってるからー・・
せめて、前みたいにー・・
友達で居てほしい。馬鹿言い合える様な友達でー・・・。
俺が何としてでも
“友情”を“異性への愛情”に変えるからー・・・。」
「えぇー・・時間がかかるかもしれないし
私が異性への愛情を貴方に持つってことは
明日地球が滅亡する可能性と同じ位低いけどー・・
友達なら・・・いいかもね」
もう、彼の気持ちをもてあそばない。
押しに弱い人間にはならないー・・・。
私には守るべき二人が居る。
女としての喜びは、柳沢に教えてもらったらいい。
母としての強さは紫音に教えてもらったらいいー・・・。
男の気持ちで遊ぶ必要も、
押しに弱いまま、流されて取り返しのつかないことをしてしまう必要もー・・・
まったくもって今の私には、あってはならないモノだ。
柳沢のことは好きなのか、まだ分からない。
ハンソンが心の中をチラついているのも真実。
でもー・・柳沢の思いを無駄にはしたくない。
この“契約期間”で最高の役目を果たしたいー・・・。
「はは!何か、
さらにハッキリした性格になったな」
「そうかな?」
「あぁ。」
場面を感じ取ったのか、少し離れた位置から見ていた二人も、私の元へ近づいてきた。あながち話は聞こえてただろう。蓮からも色々、事情を聞いていると思う。
ーー・・気にしないけどね、きかれていても。
「で、何選んでんの?ここ、メンズだよ。」
遥くんの私服は、とてもシンプルだった。
真っ白のロングコートに、
黒色のスキニージーンズ。
背が高くて、顔も格好良いから似合うんだろう。
“花より男子”の花沢ルイみたいな。
そんな雰囲気。
「ん~スーツかな。」
「スーツ?小百合の?」
あれ、この人私のこと呼び捨てだったっけ?
さっきは“ちゃん”付けだったのに。変なの。
「ううん、知り合いの」
「彼氏か?」
「まだ・・・わかんないかな」