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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬
「こちらでよろしいでしょうか?」
「はい。プレゼント用でお願いします」
「誕生日プレゼント?」
「違うよ。クリスマス。ちょっと遅れちゃったけど」
ーー・・そういえば、あの人の誕生日、私知らないな・・・。
いつなんだろう。
「では、お会計失礼します」
「はい。」
「えっと・・税込みで、上下あわせて、68万3千円になります。」
「はい、丁度・・・かな?」
「わお、現金一括かよ。金持ちだな」
「最近貯金ばっかしてるからね」
本当に高い買い物ー・・。まぁでも、彼が私にくれた、このネックレスはもうちょっと値が張ってるだろう。良いものに出費は惜しまない。
仕事の給料を貯金に回せてるのも、元はといえば彼のおかげだ。
「しょ・・少々お待ちください!!」
現金を数えて、スーツをラッピングして・・
色々と大変なのだろう。
1人増えて、三人がかりでも
あたふたと動き回っているのが分かる。
そして、財布をカバンの中に治そうとしたときー・・・。
ーー・・ズキッと頭が痛んだ。
思わず、しゃがみこむ。
「どうしたんだよ」
声的に響かなー・・
同じ目線で話しかけてくれているんだろう。
だけど、あまりの痛さに目が開けれない。
ーー・・クラクラ・・・。
地球が回っているからなのか、
もしくは私が回っているのかー・・・?
「おい、聞こえてるか!?」
荒々しい響の声を聞きながら
私は、冷たい床に倒れこんだ。
頭の中に、
あの日の柳沢の笑顔を浮かべながらーー・・・。