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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬
「いや、誰も言ってないけど、これは私だけの問題じゃないとしたらー・・私とハンソンの問題よ。」
「今ごろ口角あげてるのはハンソンだけでしょうね。」
「あんた、本気で言ってんの?それ」
「えー・・?」
強気な瞳に圧倒されそうになる。
「何が・・?」
「ふざけんなよ。俺とお前は夫婦なんだよ。
お前が俺の事をどう思ってるのかは知らないけど、俺はお前の事を大切に思ってる。この期間内に起こった問題は全部、俺たち二人の問題だ。
お前とハンソン二人だけの問題だなんて口が避けても絶対いうな。気ぃ悪いな。」
「ご・・ごめん。」
「はぁ。もう一回聞く。
今回はお前の気持ちだけで答えろ。
先々の事は一切気にするな。
お前はーー・・腹の子、産みたいの?」
産みたいー・・か。
もちろん、産みたい。
色々な事情があって、世の中には中絶をする人がたくさん居る。例えばレイプされて出来た子とか、身体が弱くて産むときに自分の命も危険にさらされるかもしれない人とかー・・。
だけど、私は、恵まれた事に
そういった理由は一切持ち合わせていない。
過去、愛した男の愛情が度を越えてしまい、
妊娠した。と。そういう事なわけでーー・・。
「産みたいよね、そりゃ。
紫音も居る今、子供の大切さや
命の大切さ、有り難み本当に分かってきたから」
「・・じゃあ、お前がきにしてるのは何だ?」
「気にしてる?」
「あぁ。産みたいと言うのに渋った理由だよ」
「ハンソンとの繋がり・・かな。
時間はかかるかもしれないけど、友達関係をもう一度結ぶのは大丈夫だと思う。でも、この子の父親として、あるいは夫としてー・・そんな風には思えない。
でもだからといって、
私一人で、この子を育てていけるかって言われれば、そうじゃないからー・・。
今は貴方の助けがあってどうにかなってるけど、
職業もグレーで、やっぱり夜中に家を出ていかないといけない時もあるしー・・。
そういった事思ったら一人じゃ無理かなって。」
「それだけか?」
「うんー・・今のところは。」