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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬
「じゃあ話はなおさら、簡単になるな」
「どこが?」
「お前が、俺との契約期間を忘れて、本物の夫婦になればいい。
これで全部済むだろう」
「いやー・・そんな単純な問題じゃないから。
まずハンソンが黙ってないわよ。
何のために“子作りしたの?”って、そうなるでしょう。」
「あんたシャキーラから何も聞いてねぇの?」
「え?」
「・・・あいつ、結構口堅いんだな。
まぁいいや。俺はアイツにも話した」
「ハンソンが、腹の子を取りにくるために
司法を使うなら、俺も司法で返す、とーー・・。
暴力で来るなら、俺も暴力で返す。」
「それってー・・・」
私が、あの日盗み聞きした内容にそっくりー・・。
もしかして“産む・産まない”も私に関しての話?
・・・そうか、こいつが、ハンソンが私に嫌われるのを狙ってキスマークをつけて・・私の状態に気がついていたなら、もしかしたら妊娠するかも、っていう頭では居ただろう。
シャキーラとあの晩、話込んでいたのは
他の女じゃなく、私のこと?
「うそー・・信じられない。」
「何がだよ。」
「シャキーラと話てたの・・盗み聞きしてた。
他に女が居て、その子が本命でー・・
その子を妊娠させちゃったから、その話をしてるのかと、てっきりそう思ってた」
「んな訳ないだろ。
他の女抱くなら、お前を抱くよ。」
さらっと言われて、顔が赤くなる。
「てか、盗み聞きしてたなら余計分かるだろ?普通は。
俺がどうしたいのか・どうしてほしいのか」
「分かるけどー・・。」
「じゃあ何渋ってんだよ」
「普通返事をすぐに出来ないのは当たり前やんかー・・。
前みたいに“期間”にとらわれてる夫婦契約じゃないねんで?
今回はー・・子どもが出来て、本当の夫婦になるー・・。」
「あんたは俺のことどう思ってんの?」
「嫌いじゃない。好き・・やと思う。」
「じゃあ「でも!」
「ハンソンのことは吹っ切れてると思うけどー・・
それでもー・・こんな曖昧な気持ちのまま
結婚は出来へんよ。それが普通の女の気持ちやと思うねんー・・。
ハンソンが心の何処かに存在してるのにー・・私の事を愛してくれてる貴方の気持ちを持て遊ばれへん」