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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬


室内には私達とスヤスヤ寝ている紫音しか居ない。

うるさい足音も、話し声も何ひとつ聞こえない。


まるで私達以外の時が止まってるかの様だーー・・。




「柳沢のことを愛してる・・・と思う。

私もいつからか、尊敬から好きに変わってたと思う。


でもそれが何で変わったかって言われたら、
何ていうかー・・ハンソンに絶望したからであってー・・。

絶望したときに隣に居てくれたのが柳沢でー・・。


不順な動機で好きになってしまった。
でも不順な動機で、好きがさめるかもしらへんー・・。


そう思ってしまう。」





「---・・。」





「ハンソンのことも、貴方が知ってる通り、一度は本気で愛して結婚も二人で考えた。付き合っても無いのに何で?って言われるかもしれへんけどー・・知り合ってからの期間とか、そんなん関係ない!と言い切れるほど愛してた。


いくら中出しされても

そこまで愛してた人との思い出ってすぐに消えへんと思うんよ、私。



だからこそー・・・

私の事を大事に思ってくれている貴方をー・・


ううん、私が大事に思ってる貴方にいやな思いをさせたくない。



不順な動機で嫌いになりたくない。

曖昧な気持ちで愛情を伝えたくない。



正直ー・・・何が何か分かってへんねん、自分でもー・・。」




「柳沢の怪我のことを聞いて、
私が支えやなアカンなぁって思ってたときの妊娠発覚。

しかも、お腹の子はー・・ハンソンとの子でー・・。


完璧に貴方だけで頭を埋め尽くせると思ったのにー・・
まだハンソンは私のどこかに存在していてー・・

そして、今回のこの一連で

もっともっと彼のことを考えてしまう様になってー・・・。」




「今思えば、まだ紫音とも柳沢とも4ヶ月近くしか暮らしてないやんか?


その中で、ここまで色々なことが私の身の回りで変化してもうた訳よ。



ーー・・で、自分の人生を変える大きな事件“妊娠”。


私の責任でもあるとは云えー・・

どうするべきなんか。
っていうか私はどうしたいんかー・・もうホンマに全然わからへん」




最近泣き虫になったのかな~?

強がってるつもりだけど、強がれてないんだろう。また、あの旅行のときの様に私の頬に無数の涙の結晶が散りばめられた。

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