この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬
室内には私達とスヤスヤ寝ている紫音しか居ない。
うるさい足音も、話し声も何ひとつ聞こえない。
まるで私達以外の時が止まってるかの様だーー・・。
「柳沢のことを愛してる・・・と思う。
私もいつからか、尊敬から好きに変わってたと思う。
でもそれが何で変わったかって言われたら、
何ていうかー・・ハンソンに絶望したからであってー・・。
絶望したときに隣に居てくれたのが柳沢でー・・。
不順な動機で好きになってしまった。
でも不順な動機で、好きがさめるかもしらへんー・・。
そう思ってしまう。」
「---・・。」
「ハンソンのことも、貴方が知ってる通り、一度は本気で愛して結婚も二人で考えた。付き合っても無いのに何で?って言われるかもしれへんけどー・・知り合ってからの期間とか、そんなん関係ない!と言い切れるほど愛してた。
いくら中出しされても
そこまで愛してた人との思い出ってすぐに消えへんと思うんよ、私。
だからこそー・・・
私の事を大事に思ってくれている貴方をー・・
ううん、私が大事に思ってる貴方にいやな思いをさせたくない。
不順な動機で嫌いになりたくない。
曖昧な気持ちで愛情を伝えたくない。
正直ー・・・何が何か分かってへんねん、自分でもー・・。」
「柳沢の怪我のことを聞いて、
私が支えやなアカンなぁって思ってたときの妊娠発覚。
しかも、お腹の子はー・・ハンソンとの子でー・・。
完璧に貴方だけで頭を埋め尽くせると思ったのにー・・
まだハンソンは私のどこかに存在していてー・・
そして、今回のこの一連で
もっともっと彼のことを考えてしまう様になってー・・・。」
「今思えば、まだ紫音とも柳沢とも4ヶ月近くしか暮らしてないやんか?
その中で、ここまで色々なことが私の身の回りで変化してもうた訳よ。
ーー・・で、自分の人生を変える大きな事件“妊娠”。
私の責任でもあるとは云えー・・
どうするべきなんか。
っていうか私はどうしたいんかー・・もうホンマに全然わからへん」
最近泣き虫になったのかな~?
強がってるつもりだけど、強がれてないんだろう。また、あの旅行のときの様に私の頬に無数の涙の結晶が散りばめられた。