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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第11章 魔法の検査薬
「柳沢と出会って、一緒に住む様になって」
「うん。」
「ほんまに、自分の感情っていうのを表に出す様になった。それが嫌で嫌で仕方ないー・・。
辛い事とか嫌な事、前までやったら、隠し通せてた。人に対して、気が狂うほど怒る様な事もなかった。自分の事に関してはー・・。でも、何ていうか。今は凄い怒ってしまう。し、悲しいと思ったら弱音吐いてしまうし、涙も流してしまう。」
「うん。」
「そんな自分が嫌いで仕方ない。
ポーカーフェイスで、誰にも仕事の相談や愚痴を言わへんかったあの時の自分に戻りたいねんっ。心底!」
「ーー・・。」
「何ていうんやろーー・・。
言葉の順番も話の流れもバラバラやろう?それも自分で理解出来てる。これも、前までやったら、ちゃんと順序立てて相手が理解できる様に話せてた。」
「紫音のせいにするわけでもない、
貴方達のせいにするわけでもないー・・。
でも、何か、貴方達とであって
紫音と一緒に暮らして、ママをする様になって
人間味が増してしまった。そんな自分が嫌。」
「だから、今回の事でここまで冷静を取り乱すのが自分でも信じられへん。
前やったらーー・・産むとしても、
自分で出来るし!って貴括ってた。
でも今はそれが出来へんー・・
自信がないっていうかー・・。私前に比べて弱くなってしもうた。」
「ごめんーー・・。
ほんまに、次から次へと・・
いつもいつも頼ってばっかりでごめんー・・。
こんな姿見せてごめんっーー・・!」
止まる事を知らない涙を、優しく手で拭われる。
「前やったら、とか。
前の私なら、とか。
どうでもいい。
俺は前のお前には惚れてない。
俺が惚れたのは、紫音の為に命かけて、
自分の気持ちに素直になったお前だ。」
「ーー・・んぅっ!」
声に出して泣いたのなんてー・・いつぶりだろう。
柳沢の事を強がりだって言ったけど、
誰よりも強がりだったのは私なのかもしれない。
「俺はお前の前の姿も知ってる。」