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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第12章 前夜祭

彼の優しさを感じながら、洗面台の上に真っ白のシャツと紺色のネクタイを置いた。このネクタイは、彼がこっちの家に移り住んできた時に持ってきた荷物に入ってたものー・・。大事なトロフィーとかの段ボールに一緒に入ってた。

普通なら、洋服やスーツの段ボールにいれるでしょ?でも、それを"大事に扱ってくれ"って念押ししてた、其の段ボールに入れてたってことはー・・想い出の品なのかな?とても、高そうには見えない。普通のモノだ。



「出来た。あんたは?髪セットする?」


「いい。」




「紫音の着替えは?」

「全部完璧よ。用意もした。」



オーナーからのプレゼントと言っていた大きな時計に目をやってから、顔をあげて何やら考え込む光。

何をしても絵になる美しさっていうのは、本当にこの人や遥君、ハンソンなどにしか言えない言葉よね。



「まだ時間あるな。七時に会場集合だから。」


「そうね。」


出たよ~こいつのマメな所。この人は時間に関しては本当に凄いキッチリしてる。鬱陶しいくらい。

よく、これで外国で生活出来てたよね。



「会場まで行くのに、20分。道が混んでる事を考えたとしても・・40分前に出れば大丈夫か。あと三十分。」



「なにが?」




「おい、」

「ん?」




「俺が綺麗にしてやるよ。あんたのこと。」

「なに?化粧できるの?」




「女が一番綺麗なのは、セックスした後だ。っていうかイった後の方が正しいな。」


「えーー・・。」



「俺は射れられねぇけど。指は元気なの知ってるだろ。あんたが一番。」



「ちょっー・・妊娠してるのにっ!」



「今日だけ。我慢して貰おう、腹の子に。」


「いやーっ・・ほんと・・・・んぅっ!」



壁と、柳沢の厚い胸板に挟まれる。

そして、顎を持ち上げられてキスをされた。

私の唇ー・・いや、すべてを貪るかの様な激しくて強引なキス。息が出来ない位に何度も何度も角度をかえて、私の唇に喰らいついていた。


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