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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第12章 前夜祭


「このまま、中に手いれていい?」


彼のしたい事は分かっている。私がノーと言ったら言ったで、手首を拘束して無理矢理にでも中に手をいれてくる。そんな男。

そしてー・・私の右太ももを優しくさわる彼の手つきが何よりもその証拠だ。この人はー・・私の意見を聞きたいわけじゃない。


「私からよがってほしいの?」



「さぁ?自分で考えろよ」



髪をかきあげられて、耳たぶを甘噛みされる。

瞬時に、私のもう片方の耳の穴に彼の小指が入ってきた。ー・・こそばい。だけどー・・何か気持ち良い。



「ひゃぁんっー・・んふぅっ!」



「考えろよ・・俺がどうしてほしいのか」




「あぁんっー・・

そこで喋ったらあかんっー・・!」




「ー・・うるせぇ。聞こえるぞ、紫音に」




「んっー・・はぁっ・・光が・・っ!」




耳が弱いのは、彼がよく知ってる私の性感体事情。




「俺が?なに?」



ふーっと息をふきかけられて、背筋が伸びた。




「はぁあんっ!」




「胸触れないのが残念。

服にシワつけたくないから、さすがにそこまでは手伸ばせないし。お前が俺にちゃんと伝えないなら、今日は耳だけかな」



「ーー・・っ!」




「なに、その不細工な顔。睨んでも怖くねぇよ」



「言えばいいじゃん。

アダルトビデオみたいな、いかにもな言葉を言わそうとしてる訳じゃねぇんだし。普通に自分の気持ちに素直になれば?簡単じゃね?その位。」



「ーー・・だって、」




「なに?小百合。」




「あぁっんっ!」




また耳元で喋られる。


しかも名前ってー・・私の心をどれだけ持て遊びたいの?この人は。
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