この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第12章 前夜祭
「スポンサーから貰った物にしろ、チームメイトから貰った物にしろ、簡単に売るとか捨てるは口にしちゃダメよ。安くてはじめから直ぐに捨てるの覚悟で買った物ならまだ良いけどー・・車とか、色々。
ボロボロになるまで使いこんでから、次の物を買うのよ。普通は。それでこそ、良い男だわ。
お金をポンポンと使えるだけの余裕があるのも、貴方が将来、そのせいで破産する様な男じゃないのも勿論ちゃんと分かってるけど、そういう所は嫌い」
「ーー・・。」
「紫音の服に関しても、それこそ、高くて良い物を丁寧に扱ってたらこの子が大きくなったときに友人に譲ったり、売ったりできるけどー・・。わかる?この差。
売ったり捨てたりするのは、使えなくなってから。
アウディも素敵な車だし、まだまだ乗り回せるんだから。物を粗末にしたらだめ。」
「人から貰ったんなら尚更やで。
その人の気持ちやと思って、大事に扱ってください。わかりましたか?」
「ーー・・」
「聞いてんの?わかりましたか?!」
「ーー・・ぁ」
「んー?なんてー?!」
「分かったよ!!
何回も言わせるな!」
運転が荒くなったのはー・・気のせいだ、そう思っておこう。私の気持ちが伝わったのならよかった。
こういう性格は絶対に損をするからね。
たかが一円・されど一円という言葉がある様に。
ケタは違うけども
たかがアウディ・されどアウディだ。
「お前は俺の母親か」
「あら、母親でいいの?」
「うるせー。あ、警察だ。シートベルトしてるよな?」
「勿論。」