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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第12章 前夜祭
「今日のメンバーは豪華だぞ。」
「・・。」
「だろうな。・・あ、紹介するよ。
こいつは、俺の親戚の小百合。」
「はじめまして、小百合です。」
「はじめまして、ドイツでプレーしてる宮元って言います。よろしくね。」
宮元くんって言うんだー・・。やっぱり近くで見ても私の好きな顔。目がクリクリしててアイドルっぽい。
まぁ・・柳沢とハンソンの二人が私が生きてきた中で、喉を鳴らす位、本当に格好良いと思った人なんだけどね。宮元くんは、あくまでも私の好み。確かにイケメンの部類だけど、柳沢まではいかないだろう。
「誰か来るの?偉いさん。」
「代表のスポンサー企業の幹部や取締役は来るみたいだよ。ビールの会社とか生命保険会社とか。」
「うわ~。マジで。」
「選手の挨拶はキャプテンがしてくれるから、お前は気にしなくて大丈夫だろ。」
「それでも挨拶位は・・なぁ。行かないといけないんじゃねぇの?大人の礼儀ってやつで」
「んだよ、いやなの?」
「いやっていうかー・・こいつ、妊娠中だし」
「はは。親戚の立場で心配してるってか。」
「まぁな。何かあったら旦那に殺される。」
よくもまぁ、こんな嘘をペラペラと吐けるものだ。丸でペテン師そのもの。私の事を気遣ってくれてるのが分かって嬉しいのはたしかだけどっ!
「俺が見といてやるよ。」
「無理。岸野には指一本さわらせない。」
「なんだー?それ?!」
「そういう約束の元で連れて来たんだよ。」
美女二人は、彼の話を真実だと思い込んでいるのだろうか。何か心を隠したかの様な笑みを浮かべながら私たちを見つめている。ーー・・忘れてた、この子がモテるってこと。
お昼の番組でも特集されてたばかりなのにー・・。
私が離れたくない・・とか言ってね。
絶対に綺麗な人たちから声かけられるのわかってるじゃん。そんなの悔しい。
「小百合、あんたも一緒にこいよ。」
「どこに?」
「挨拶。」
「えー・・パ・・光と?!」
パパって言いそうになっちゃった!!
あっぶな~い。
「あぁ。」
「分かった。」