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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第12章 前夜祭
先程までの静けさが嘘の様に再びガヤガヤと喋り声や、椅子を動かす音が聞こえ出した。
「さっきのが、会長さん?」
「あぁ。俺に歌手デビューを持ちかけてきた団体のボス。たまんねぇよ、本当。」
烏龍茶とジントニックで光と乾杯をしてから、
そんな事を話していた。
「優しそうな人ね。」
「そうか?ただのバカだよ。」
「嫌いなの?」
「あぁ。どうも合わない。
まぁ、来年、会長の座が奪われるからあと一年の我慢だけどな。」
「うそ?!それ、本当?」
「うん。確定してる。
次の会長はー・・俺が結構尊敬してる人。」
「へぇ~!それなら、良いじゃん?」
「だなぁ。紫音、ケーキいるかぁ?」
甘い声で、紫音にそう訪ねる彼。
心なしか、偶然光の横を通っていた女優さんの顔が甘い顔になっていた様な気がした。このギャップに驚いたのか?心を奪われかけたのか?
何度も言う。
彼は
"生きてるだけで罪なオトコ"だ。確実にね。
「賞金いくらだろうなぁ?」
「一人、100万~300万の間じゃねぇの?」
「それなら、俺と光と宮元は300万コースかな」
「俺はそうだろうけど、お前達は知らない。」
賞金出るってー・・どれだけ勝ってほしいのよ。たかが親善試合なのにー・・。ワールドカップで一つの試合に勝った場合と同じ位のボーナス額よ?!あり得ない。
「っつーか、ぶっちゃけ
今の年棒いくらよ?光。」
「あぁ?なんで言わなきゃなんねぇんだよ。」
「気になる~!!」
美女二人と、その友達だと思われる二人がこの席の合流しているため、私含め女性は五人。
私以外の四人の女の子が、彼の年棒を探るべく高い声を発した。・・気になる?そんな事。
「言わないよ。」
口調が丸くなったよね?!岸野くんに比べて!
「え~でも、絶対すごいですよねぇ?!」
「だって、愛車ベンツとアウディだよ?!
チームは、ブエノスだし・・すごいでしょ~っ!」
紫音にこんな話聞かせたくないなぁ。と思いながらフルーツを取ろうとした時、苦笑いをしている宮元くんと目があった。
私の気持ち分かってくれてるのかも。