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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第12章 前夜祭
「サッカーは?詳しい?」
「ううん。だから岸野くんの名前も、宮元くんの名前も今日はじめて知った」
「うそ。変な感じ」
「あんまりテレビとか見なくて。最近見る様になったからー・・。でも、本当にサッカーは分からない。昨日ハットトリックの意味を調べたけどね」
「ハットトリックってまた、専門的なところいくなぁ」
「そう?」
「まぁ見れる様なヤツじゃねぇべ。」
べー・・かわいい!方言だぁ~
「光に頼むよ。」
「あいつなら出来るかもなー。ハンソンにされる可能性もあるけど」
「それは阻止してよ。宮元くんが」
「はは、簡単に言わないで~。アイツすげぇんだから」
知ってるわ、その位はー・・・。
安奈さんは、お友達と楽しそうに会話していた。
さっきとはまた別の喋り方。癖なの?あの馬鹿そうに喋るの。
「宮元くん、彼女は?」
「居ないよ。ほしいねぇ」
「サッカー選手は、やっぱり支えてくれる人必要だよね。精神的にも、あとは栄養面でも。」
「そうだよ。毎日コンビニ」
「それは言いすぎやわ」
「まじだって~」
「かわいそう、はは!
どんな子が好きなんよ?」
「うーん、料理上手くて、子ども好きで、
ギラギラしてない子」
「ギラギラ?」
「芸能人とかサッカー選手に。
グイグイこられたら引くよ、やっぱり。
男は追いかけたい生き物だからさ」
「それはー・・よく言うわね」
「でしょ?きっと、光もそういうタイプの子を好きになると思うよ。」
料理がうまくて、子ども好きで
ガツガツこない人ー・・・自分を過大評価しているわけではないけど、あてはまってるよね?私、結構ー・・・。
「ちょっと変な質問していい?」
「うん?」
「宮元くんの好きなタイプって・・
あんがい、私みたいな人?」
「ぶはっ!何だよ、それ。
まぁ岸野から光のお弁当のことも聞いたし、
そうかもしれねぇな?」
「えーやだー困る」
「誰も好きって言ってねぇべ」
高校生の様な会話を楽しんでいたときー・・後ろから、もうそれはそれは半端じゃないオーラを感じた。背筋がー・・凍る。
氷になる魔法あるじゃない?今はやってる映画のー・・。
本当に、その魔法にかけられたみたいに、身体から血の気がひいていくー・・。