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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第12章 前夜祭
「甘いね、このジュース。」
「何だろう?桃かな?」
「だと思う。美味しい~」
「お酒、飲めないでしょ」
「あ、そこまで聞いたの?」
「全部聞いた。元々、宮間さんの話は軽く聞いてたし、理解するのはまぁ簡単だったかな。」
それは貴方が賢いっていうのもあるけどね~ん。
「そっか。ーー・・結構、色々な事があったの。あの日、あのラウンジで、貴方達にであってから。」
「よく、それで正気で居られるね。」
「私が取り乱してもしょうがないしさ~。
今は紫音の親だし、彼の妻だし。
強く、前向いて歩いていかないと。」
「偉いじゃん。」
「本気で思ってる?」
「勿論。すごいと思うよ。並の女なら、無理だよ。そんな状態をすべて受け入れるのも、あいつに好かれるのもー・・。」
「だろうね。私変わってるし。」
「確かに。だけど、良い意味で変わってるんだよ。そこらへんは気にしなくて大丈夫。」
「遥くんに言われたら、不思議やけど、
気にしやんくていいかなって思えるわ。」
「はは、よく言うな。
はじめから"自分は自分"のくせに。」
「えへ、それもお見通し?」
「当たり前。」
人を消せそうなオーラを発していない彼とはすごく喋りやすい。今は、振り向く事さえしたくない。
さっきの柳沢は尋常じゃないくらい機嫌が悪かった。
「ってか、遥くん、彼に何か言った?」
「んっ?」
「例えば、叱ったり否定したり。」
「ないに決まってるだろー。あいつの性格、よく知ってるんだよ。否定から入る仲じゃない。」
「うそ、さっきすごい機嫌悪かったよ。」
「小百合の後ろで、三分くらい立ち止まってたからね。宮元と変な話してたの聞こえたんじゃない?」
ーー・・変な話・・。
恋愛話のことかな?
「あいつは結構嫉妬深い男だと思うよ。本気の女になら。」
「ーーー・・。」
「心当たりあるんじゃん?
わー、怖い。俺しらなーい。」
他人事の様に笑う、遥くんが悪魔に見えた。
確かにー・・結構はっちゃけながら宮元くんと会話してたけど、普通に遊びの会話だってわかるよね?!
いつから聞いてたにしてもー・・。
うそー、これはまた面倒な事になっちゃうぞ。