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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第2章 可愛いと五月蝿いは紙一重
ーー・・プルルルルル!
ーーー・・・・プルルルルル!!
凄まじい程大きな音が鳴り響いている自分の携帯電話を、まるで直ぐに買い直す予定の決まっている消耗品かの様に雑に扱う私。
真っ白な壁に掛けてある時計の針は
午前六時半を示していた。睡眠時間はいつもと変わらない割に、しっかりと起きれたのは昨夜の"あれ"のお陰かー・・。
「はぁー。」
聞こえるか聞こえないか位の小さな声でため息をつき、重い腰を起こす。
今日は、9時から事務所の契約で、
12時からは、サイトに携わってくれるであろうエンジニアの方と話し合い。それが終わったら、一時間は休みがあるもののー・・別の仕事の打ち合わせでズッシリと日が変わるまで埋まっている。
ひとつの仕事だけで食べていく気は更々無かった分、ある程度の忙しさは覚悟していたけど、まさか、一気に二つも大きな仕事が追加されるとは思ってもいなかった。
そんな事が、ふと脳裏に過りながら冷蔵庫をあける。最近は自炊をしていなかったけど、その前に買いだめしていた食品があった為、期限ギリギリの物が結構目立った。
「これだけあれば、割りと豪勢な朝食作れるかも」
キッチンに立つ事自体が久しぶりな為、変な気持ちは確かにするが、それ以上に「なに作ろうかなー」という期待の方が大きい。
ブラウン色のシンプルなエプロンを手早く付けて、早速料理にとりかかる。
「なんかー・・我が儘やろうし、好き嫌い多そう・・」
「野菜たっぷりにしようかな~。」
BGMとして、ゆーみんの楽曲のオルゴールバージョンをランダムでかかる様にセットした。