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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第13章 合縁奇縁

日本代表のシンボルカラーともいえる青色のユニフォームが一斉に大きく揺れて、コンディションの良さを示す空の色と一体化していた。

まるで、日本全体がー・・

いや、地球の人々すべてがこの試合を心待にしているかの様だった。


主審が挨拶を交わして、代表がピッチに上がってきた時、サポーターの熱気は、天を貫きそうなほどヒートアップする。優しくて、だけど心強い野太い声援や歓声。

一番の注目は、柳沢とハンソンの対決ー・・。


両方ともが、あの若さで

世界のサッカー界の最前線に立っているのだ。


普段からチームでも個人でも
ライバルとして扱われ、比べられ、

そして誰よりも重圧を抱えこんでいる。

そんな選手ー・・。


一見、メンタルが弱そうにも思える。
案外弱い子なのかな?と思わせられる場面を見てきたこともあった。


だけど二人の背中は、誰よりも強くて男らしい。


そしてー・・誰よりも覚悟を決めている。



各チームのキャプテンが審判達と握手を交わしたあとの数秒ー・・。

どさくさに紛れて、柳沢とハンソンも握手をしていた。


だけど、私達やテレビレポーターはそれを見逃すはずがない。テレビからは、解説者の興奮した声が聞こえ、会場の至る所から悲鳴に近い声がふきあがったー・・。




いよいよ、はじまるんだ。



一度、まばたきをして、ゆっくりとー・・再びピッチに目をうつした時、

高らかなに笛の音が会場全体に響き渡って

ボールもー・・どちらにつくことなく動き出した。




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