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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第13章 合縁奇縁
"さぁ、たった今、はじまりました!
日本対イギリス戦・・本当に楽しみですね!"
"そうだね~でもやっぱり、代表全体が柳沢選手や岸野選手・宮本くんとかに頼ってしまってる部分があるからね。自分から仕掛けて点に繋げる様な動きをこの試合で見せてもらいたいよね。"
"そういった面では、今回は試合に初選抜された若い選手が二人も居るわけなので怖いもの知らずな場面を見せてくれそうですよね。"
"いやーほんとにね。若さっていうのは武器だよ!
柳沢も23歳で、まだ若いとはいえ
色々な舞台を経験しすぎて考える所はあるだろうしね。彼には出来ない無謀な挑戦とかをみてみたいよ"
情熱的に喋るコメンテーターと、冷静な解説者のバランスが良い。黒と白のサッカーボールは、マークスの足元にあった。
縦パスを入れられない様に、綺麗に各自守備範囲に広がっている日本代表。その中でも、ハンソンはとびぬけてガタイが良かったー・・。
"柳沢もハンソンも、なんか凄い真剣だよね"
"はは。いつも真剣な様に思えますが"
"いやー、違うよ。目が違う。
ーー・・真の勝者を決めるつもりなのかねぇ"
鋭い所をついてくるな、このおじさんー・・。
誰も居ないのを良いことに、鞄を隣の席において、
紫音を抱き直し、立ってこの試合を見つめる私。
ーー・・考えなきゃ・・。
どうするのかーー・・っ。