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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第13章 合縁奇縁
「白熱してるね~」
「本当に・・・。1-3くらいだと思ってた」
「どっちが3?」
「そりゃあイギリスよ。個人個人の力が違いすぎるっていうイメージが正直、心のどこかに存在していたかも」
「はは、確かにそれもあると思うよ。実際に、点を決めたのは光だし、互角で削りに行けてるのも宮元と岸野くらいだもんね。他はー・・戸惑ってる感がある。相手の速さと判断力の意外性にー・・」
「サッカーは頭脳戦やからね」
「お?何、そんな事言っちゃって。」
「なによ」
「それ、光もよく言ってるよなぁ」
ギクッ!!
私達の事を知らない筈の響から、光の名前を出されて肩がゆれる。
そりゃそう、だってこの言葉は彼に教えてもらったんやもんー・・っ。
「勝てたら、またアイツら儲かるぞ~」
「アイツら?」
「選手と協会。テレビのオファーも観戦者率も増えるだろ。来年のワールドカップに向けて、それくらいの準備はしていかなきゃダメだしな」
「商売って大変よね」
「協会はー・・商売なのか、ただ単に“子どもが大人になっただけ”なのか、その精神方向をしっかりと示さないから、やりにくいんだよ」
「わかるわ。事務所にも相当注文入ってるんだろ?光との友情を売る気はないのにな。」
「そうそう。普段は仕事で他人面してるやつ達が仲良いほうがギャップがあるから話題も生まれるのに、それが分からないんだろうね~」
芸能人特有の悩みを、紫音と遊びながら打ち明けてる二人。
大変だなぁ、と本当に思った。
光も協会のことを嫌っているのは確かだ。
国籍を移す、とまで言ったのだから、それくらい“あのときの遣り方”には苛々させられたのだろう。
「変なメンバー」
「そうか?」
「蓮が居ないやん」
「アイツは、違う仕事。
まじで忙しいみたいだもんな」
「いやー俳優で、あそこまで上れたら凄いよ
年もまだ若いのにベテランさんに負けないくらいのオーラが付いてきてるし、ギャラも半端じゃない」
「はは!俺達と変わらないもんな」
ーー・・へぇ。自分のギャラ言い合ったりするんだ。