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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第13章 合縁奇縁


「話の腰折って悪いけど、ってことはさ、
光の年収も知ってるん?」

「知ってるよ」


「意外!あの人そんなん言わなさそうやのに!」

「言わないよ、まったく言わない。
だけど、それをいいたくないって気持ちの根本にあるのは“私生活を他人にいいたくない”ってことだ。つまり、アイツの他の私生活を持ち出して、聞き出したら教えてくれるってわけよ」

「たとえば?」


「あのとき、何って言ったんだっけ?響」

「確か、女優がアイツのせいで自殺未遂起こしたのじゃなかった?
あの~あいつだよ。全盛期の時の美和カスミ」


「あぁ!なつかし~そうだ。」



「はは・・・何となく想像つくわ・・・」

美和カスミ・・1年前に突然引退した人物。活動期間は子役のときをいれたら、もう10年は経っていただろう。とても綺麗で、セクシーな人だった。不倫相手の役とか、気が強い刑事の役とかが似合う人。

その引退の背景にあったのは、間違いなく柳沢ねー・・・。


あながち、今の性格のまま彼女に接して、勝手に惚れられて、その気は無いと断ったのだろう。もしかしたら、他にも相手がいて、それをショックに思ったから自殺未遂をしたのかもしれないー・・


「それにしてもビックリ。自殺未遂の報道は出たけど
柳沢の名前なんて出てなかったやん、一切」

「そうだよ、協会の力は半端じゃないし」



「こわっー・・」


「まぁ、あれはトバッチリだ。あの女がヒステリックになっただけ。普通に接してれば、光が特別愛してもいない一人の女にとどまって、その女の為に時間割いて、話聞いて・・ってするタイプじゃないのは分かる問題なのにな」

「夢を見すぎた結果だろ」


「皮肉な男だよね」


「間違いなく俺達4人の中で一番モテルな」

「そうだね~」



「遥くんは?」

「ん~?あんまモテないんじゃない?冷たいし」


「あぁ。わかるわ。冷たいのは出てる」



「はは!響は性格だろうね。そのぶっきらぼうなところ。それでよってくる女っていうのは、相当なマゾだよ」

「それは最近わかってきた」



選手達の休憩時間に、私達も
そんな話に花を咲かせた。

柳沢の年収は聞にならないから聞かない。
必要があれば、あの人から言ってくるだろう。
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