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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第13章 合縁奇縁
「でもさ~よく考えてみろよ。
あの光が惚れる女ってこの先現れると思う?」
なんか今日、響めっちゃ喋るわね!
しかも、彼の話題ばっかりじゃんっ!
「さぁ?居るんじゃない?すぐそばに。」
と然り気無く、一番解りやすいことをいうのは遥くん。光以上の悪魔の仮面がチラリと視界に写った。
「大事な人ほどすぐ側にいるってやつか。
それなら、イギリスの家政婦になるな。」
「でも、綺麗だよ。あの人。」
「会ったことあんの?」
「うん。あいつの家に泊まりに行った時にね。
ご飯つくってくれたけど、日本の味出せてたし、髪の毛も黒色でイギリス人らしくない、落ち着いてた人だった。」
「へぇ~」
「身長も高いし、学生だからフレッシュだな。割りと。ハウスキーパーのバイトしながら学費払ってるらしい。」
何それー・・今は、日本に居るから会ってないだろうけど。そんなの・・変な関係になりかけてても可笑しくないよね?ブエノスの幹部さんたちは、どんな人選したんよ。
普通なら主婦とか!
人妻とか!そんなんじゃないの?!
学生で綺麗でスタイル良いってー・・!
鼻息が荒くなりそうになった。
「じゃあ、イギリス人家政婦と引っ付くことに賭けるわ。」
「やめとけ、響。後悔するぞ。」
「なんで?」
「いや、絶対やめといたほうがいい!
彼は、日本人にしか興味ないわよ!気がキツい女の子好きって言ってたしね!家政婦さんの性格知らないけど、従順な子はタイプじゃないと思うわよ!うんうん、きっとそうよ!」
いてもたっても居られなくなって、思いきり横から口を挟んだ。遥くんは、笑い転げそうになっていて、響は目を開かせて固まっている。
普段は物静かな人物というイメージが出来上がっているぶん、怒ってもいない時に弾丸トークをするギャップに驚いているのだろう。
まぁー・・はじめて出会った時は、ちょっと状況が特殊過ぎたものね。あの時とは、全く違う声の出しかたと、言葉の選び方ー・・。
言ったあとから、顔が赤くなった私。
そんな姿を見せるわけもいかず、ハンカチで顔を隠した。