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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第13章 合縁奇縁
"変なの"と響に言われてから20分が経つ。
両者メンバー交代は無しの様だ。休憩挟んでたけど、前半のあのシュートの体制、結構きつそうやったよね?あの子、腰は大丈夫なんだろうかー・・。
人よりは走っていないけれど、それはポジションの問題だろう。監督は、彼の意思を尊重して、バレる様な指示や、行動の仕方を求めていない。いつも通りを貫き通してる。でもー・・それが、私には怖いんだ。
まだ柔らかなボールへのタッチ。
点を入れる気持ちはあるけど、そこまで急いで攻めなくてもいいと思ってるのかな?両方に余裕がある。
"いや~メンバー交代なしのところをみても、
本気の勝負っていうのが感じられるねぇ"
"そうですね。えーイギリスのハンソンがゴールを決めて、前半終了4分前に日本の柳沢が、その一点を返す形になり、迎えました後半戦ですがー・・。
さすが、と言ったところでしたね。"
"あの二人の勝負みたいになっちゃってるもんね!はは"
遥くんも響くんは、試合が終わったあとに、岸野君と宮元君にインタビューをするらしい。だから、終わったら五分以内に室内のスタジオに戻らなければいけない。だけど、それまでは、やはり迫力を感じたいがために、此処で見るらしく、紫音を抱いたまま、私の後ろの席に座っていた。
変な絵面だー・・。
一般席の人は熱血サポーターが多いため、そこまでこの席を気にしている人は多くないが、やはり数人チラチラとこちらをみている人物は居る。
ちょうど壁に隠れて私の顔は見えない。
だからなおさら、"あの赤ちゃん誰の子?!"って気になって、彼達二人を見るのだろう。
"後半で、どうにか勝ち越しゴールをしてほしいね。ワールドカップとかアジア大会じゃないからPK戦は出来ないしね。勝つしかないんだよなぁ、この試合は。"
"確かに、ドローは求めていないですもんね。"
いやいや~・・
ドローは求めていないって他に言い方があるでしょうに。