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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第13章 合縁奇縁
「あ~ぁ、残念。」
「だな。」
「俺達も、コメントしにくいっての」
「勝った理由聞くのはまだしも
負けた理由ってまじで聞きにくいからな。」
「だよね。まぁー・・光が抜けたのが多きかったと思うよ。それまでは互角だったもん。代表が、どれだけ光に頼ってたかが明るみになった瞬間だったな」
「まぁ、宮元・岸野辺りは頑張ってたんじゃない?海外組はよくやったよ。」
「国内組は仕方ないか・・」
いまだに状況がつかめないー・・・。
賞金の金額も半端じゃないからか、
イギリス代表選手は本気で喜んでいるように思えた。
だけどー・・日本人はそれどころじゃない。
戦犯探し?
相手選手の批判?
違う、そんな事はいまはどうでもいい。
一番気になっているのはー・・光の具合だ。
ハンソンに指を指されるけど
いつもの笑顔で返せない自分がいる。
動揺してしまっている。
イギリス戦が終わったら手術するって言ってたけどー・・
でもー・・・。
“今すぐに”といわれ続け引き伸ばした結果がこれ。
悪化していて
選手生命の危機に陥ったとしてもおかしくは無い。
珍しく紫音を抱く手が震えていた。
「おい、どうしたんだよ。」
響に声をかけられる。
「光ー・・」
「え?」
「光ー・・っ。何処に居るの!?」
「小百合、落ち着きなって」
「--っ!落ち着けるわけないやんっ!!」
「何だよ。まず光?何で?」
そうか、響は私達の事を知らないー・・。
そりゃあ接点なんて無いと思われてるだろう。
「私が行かなアカンねんっー・・!!」
「小百合・・・。大丈夫だから」
「大丈夫じゃない!遥くんも響も、
光の怪我の具合知ってる?知らんやろう!?
あの子は、もともと、腰を怪我しててん!
それやのにー・・また今日も・・・っ!!」
「--・・とりあえず、俺が連絡してあげるから」
「私が連絡しても出ぇへんかった!!」
「はぁ。落ち着けよ。
何が何だか全然わかんねぇけど光にあいたいんだろ?」
「ーー・・」
深呼吸をして、一度己を落ち着かせる。
そして、響の質問に“YES”という意味合いをこめて、
首を大きく縦に振った。