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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第14章 確かな愛
「う~!!」
ベビーカーの中から、大きな声をあげる紫音の機嫌は凄く良かった。
左手に玩具を持っているけどー・・ヨダレでベトベト。
寝起きも良いし、夜泣きもしないし本当に育てやすい子だけどヨダレだけは半端じゃない。服やヨダレかけを何回も取り替えないと、まるでプールにそのまま入ったかの様に濡れてしまう。
“205”というナンバーを見つけて、
3回ノックをしてから、部屋に入った私と紫音。
「よぉ」
「あ、おきてたの?」
「あぁ。紫音~元気かって・・・こいつなんでこんなヨダレ垂れてんだよ」
「しょうがない。」
有名な絵画が飾られてある病室はまるでスウィート・ルームの様な作りをしている。私は、ベビーベッドに紫音を寝かせて、ふかふかのソファーに腰掛けた。
「ハンソンは?」
「一時間後に来るよ。だけど、飛行機の都合があるから長く話は出来ない」
「そっかー・・じゃあ今日中に解決するのは無理かもね」
「だなぁ。とりあえず、どういう風に解決していくのかっていうことを話し合わないと。弁護士が必要になるかもしれないし」
「弁護士なら私が手配するよ」
「どうせブラックだろ?」
「ばか、ギリギリグレーよ。」
「どっちも一緒だ。白混ぜても、白にならないのは
ほぼ“黒”と一緒なんだ」
「はは、凄い独断ね」
「それが俺。」
「調子は?」
「まぁまぁかな。まだ歩けない。」
「そうよね。」
「だけど、医者の話によると、3日も寝てれば歩ける様にはなるらしい。コルセットは要るって言ってたけどな」
「そっか~・・・」
愛を確かめあったからといって、私達は何も変わらなかった。
口調も、話の内容もー・・。
婚姻届も、四ヶ月前に出しているから役所に行く必要すらない。
「それより、テレビ見た?」
「あぁ。凄いな」
「本当。ハンソンがあんなこと言うなんてー・・」
「あの試合で、どう転ぶか決まるとヨんだんだろ。まぁいいじゃねぇの。
コソコソ戦って裁判にでもなってみ?そっちのほうが、ある事ない事かかれるさ」
「-・・・。」