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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第14章 確かな愛


「力づくで強引に彼女の心を奪っていった様に思わせながら、誰よりも頭を使っていたのは君だよ、光。

表では、強引な男の如く振る舞いながら
裏では常に君の策略が存在していた。

僕は、完全に負けたね。ー・・サッカーでも、恋愛でも。頭脳戦が一番強いことを思い知らされたよ。」


「ーー・・。」



「確かに。試合に勝った時のコメントは本物だ。これで、小百合の気持ちが動くかもと思った。

だけど、昨日の晩、
試合を観ていたシャキーラから連絡が来たんだ。

僕が知らないでいた真実をたくさん聞かされた。
宮間さん?という夫婦の詳細も
光の本心も、彼女から伝えられたんだよ。」


「その時に改心したんだ。

裁判を通して、サッカーを通して・・。彼女の人生を奪ってしまうのは良くないと。

彼女の気持ちを最優先した結果を提示してあげなきゃならないと。」


「何回もいうが、完全に負けたよ。光。

だけど、小百合が君より僕を愛してくれていた期間があったのは紛れもない真実だ。今はー・・それだけで良い。君しか知らない小百合の顔がある様に、僕しか知らない小百合の顔がある。それで良いんだ。」


「取り返しのつかない事をしてしまったのは僕。何らかの制裁を受けないといけない。

一気にすべてを手に入れるなんて無理があった。

光、君もそうだろう?

宮間さんという大事な二人を失ったからこそ、
小百合と紫音を手に入れる事ができた。」


「僕はー・・小百合を失ったからこそ、

大切な気持ちや、
男としての在り方、

頭脳戦の大切さを学ぶ事ができた。」




あぁ、最後まで格好良い人だ。

我慢していた涙が溢れだす。



私はこの人を愛して良かった。

そう思えた。


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